自社データの活用目的を見極めることが、機会損失を防ぐ
現在“ビッグデータ”と表されるものには、数値で整理できる「構造化データ」と、テキストのような数値化できない「非構造化データ」が含まれる。「ネットが普及する中で、これからも大量に得られるこうしたデータが、大きな経営資源になることは間違いありません」と、ブレインパッドの杉原洋輔氏は話す。
しかし、蓄積可能なデータが増大する一方で、分析可能なデータ量はそれに追いついておらず、ギャップが拡大している。「目的を明確にした上で自社のデータ活用を推進していかなければ、合理的また効率的な意思決定の機会損失が起きてしまいます」と杉原氏。130名のスタッフのうちに約50名のデータ分析官を抱えるブレインパッドでは、こうしたロスを防ぐために、データマイニングツール「KXEN InfiniteInsight」(ケーエックスイーエヌ インフィニットインサイト)の提供や各種分析・ソリューション事業を展開している。
ソーシャルメディアの普及などにより、非構造化データである言語情報にも注目されているが、ブレインパッドの東一成氏は「まだまだ構造化データを活かしきれている企業は多くない」と指摘する。杉原氏は、構造化データの活用の特徴について次の3点を挙げる。
1.空間を広げる:属性以外のデータを組み合わせて新たな項目を作り出す
2.振る舞いを発見する:大量データから“ルール”を見出す
3.詳細なビヘイビア:購買前の行動まで施策に反映する
データ収集から分析、施策立案、効果検証までが1サイクル
顧客データや購買データなど、会員制度を持つ小売業態であればどの企業でも有しているような一般的なデータでも、こうした3点に注目することで、まだ多くの知見を掘り起こすことができる。では、具体的に構造化データはどのようなステップで活かしていけばいいのだろうか?
まず、1つめのポイントはデータ収集。マーケティングに活用できるデータウェアハウスを作ること。顧客データや購買データ、メールのレスポンスやWebのアクセスデータなどを統合し、分析の元になるデータ群を分析ツールに蓄積する。
次のポイントはデータ分析。単純な集計や統計分析からデータマイニングまで、手法はさまざまだが、「集計や統計分析は、ある程度、人が仮説を立てて処理をする必要があります。一方データマイニングは、仮説がなくてもユーザーの特徴からグループを抽出することなどが可能です」と東氏は解説する。
そして3つめのポイントは、施策を実行し評価すること。当然、このステップが実際の成果を獲得するフェーズであると同時に、立てた仮説や分析結果の活かし方が正しいのかを確認し、また次の分析や施策へとつなげるための重要な段階になる。
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