自動入札ツールから統合管理ツールへ
前回、かつては「自動入札ツール」と呼ばれていたプロダクトの歴史と、それらが今日では運用型広告全体の「統合管理ツール」へと変貌を遂げようとしている、という部分について説明しました。
今回はそれらのプロダクト群が具体的にどのような機能を搭載し、広告主、マーケターにどのようなメリットを提供しているのかを具体的に掘り下げながら、統合管理ツール導入の重要性とデメリットについてもご説明できればと思います。
「統合管理」という考え方
運用型広告の普及により、消費者の行動意識の変化、サイト訪問の動向などをベースにCookie単位で広告を配信できるようになってきました。そして、複数の広告メディア、広告配信システムをまたいだ消費行動により、Cookieの重複という問題が発生している現状もあります。そういった問題を解決するには効果測定ツールを導入すればいい、というのは一面では間違いではありませんが、すべての効果測定ツールが「統合管理」に向いているというわけではありません。
一般的なアクセス解析ツールを使うことで、Cookieの重複問題やアトリビューション分析など多くの問題は解決されます。ただ、そういったツールの多くは広告媒体側とAPIで接続されていないケースが多いため、効果測定用のパラメータ発行が自動ではなかったり、広告コストの取得が現状では困難という課題が存在しています。
統合管理をする目的のひとつに「現状のマーケティング活動の改善」が含まれる以上、どの広告メディアでいくらコストが発生しているのか、ないしはクリックごとにいくらコストがかかっているのかという情報を媒体側から取得し、広告費用がどれだけ効果的に使われたのかを把握することは、上記の目的を実現するうえで必要不可欠だと言えます。
また運用型広告は目標に応じて単価、クリエイティブ、ランディングページなどを変更できるという特徴があるため、そういった運用作業を実際に行うツールが分析ツールと同じであることで、分析からのアウトプットをシームレスに運用作業につなげ、煩雑になりがちな運用稼働を削減することが可能になり、そういった機能が搭載されているツールを使うことで分析や意思決定により多くの時間とリソースをかけられるようになります
言い方を変えれば、APIで媒体側と接続できていない、単なる効果測定ツールでは統合管理は一切不可能だと言い切っても過言ではないでしょう。