ECビジネスに勝ち残る秘訣! 効果的なデータベースマーケティングとは?
ここからは、当日行われた2つの注目セッションをお届けする。まず、データ活用がビジネスに直結する「eコマース(EC)」のセッションをのぞいてみよう。分析力で企業のマーケティングを支援する、ALBERT代表取締役社長 上村崇氏は「ECビジネスに勝ち残る秘訣!効果的なデータベースマーケティングとは?」と題し、データ活用のカギとなる「DMP(Data Management Platform)」について解説した。
「ビッグデータ」がトレンドワードになり、企業に蓄積される大量のデータを分析してマーケティングに活用する機運が高まる中、プライベートDMPを構築しようとする企業が急速に増えている。しかし、サイト解析ツールで蓄積される「アクセスログ」、POSシステムやECシステムに蓄積される「購買データ」、メール配信システムで取得している「配信履歴データ」、広告のオーディエンスデータ、ポイントカードの利用履歴、コンタクトセンターの対応履歴など多様なデータが散在しており、それらを統合管理することがハードルとなっている。
このようなデータを統合管理し、分析してマーケティング施策に活用するためのプラットフォームがプライベートDMPであり、ビッグデータ時代のマーケティングに必要不可欠なシステムとなっている。
ALBERTは上記の4つのソリューションを組み合わせることで、企業内のさまざまなデータを分析可能なデータウエアハウスに蓄積し、データマイニングエンジンを通じてデータを自動解析。その結果をもとに、キャンペーンマネンジメントシステムを使って、メールや広告などさまざまなチャネルを通して、顧客一人一人にパーソナライズした情報を発信している。そして、実行された施策ごとにKPIを確認し次のアクションにつなげるため、ウイングアークのBIツール「Dr.Sum EA」を活用している。
DMPを選ぶときに大切なポイント
上村氏はプライベートDMP導入にあたって、重要な視点は3つあると語る。
- カスタマイズ可能で、システム内部がブラックボックス化していないこと。
- スモールスタート、スケーラブルであること。
- 必要なツールだけ導入できるセミオーダーカフェテリア方式で無駄をなくす。
これらを踏まえたうえで、プライベートDMP選定の注意点を次のように説明する。
「まず最初にツールを選ぶことから始めるのではなく、“何をやりたいか”を決めてから構造を考えるのが重要。まず、上流の要件を決めてマーケティング戦略を決定する。その結果をもとに既存のデータを集めて分析してみる。その分析結果から、自社にあるデータでどんな打ち手ができるのかを見極め、その打ち手を設計する。その上で、やっとツールを選定することができる。このプロセスによって失敗を減らし、劇的に成功率を上げることができるのです。」
ALBERTでは、このプロセスを「アドバイザリーフェーズ」と位置づけ、従来のCRMプラットフォーム構築支援のノウハウをもとに、プライベートDMP構築のためのアドバイザリープロジェクトの提案も行っている。
DMPとBIツールの組み合わせもポイントに
続いて登壇したウイングアークの中土井 利行氏は、「ECビジネスに勝ち残る秘訣!効果的なデータベースマーケティングとは?」と題して、EC分野における同社の取り組みを紹介した。
「CRMデータを収益に結びつけるには、ウイングアークの『Dr.Sum EA』『MotionBoard』といった、BIダッシュボードを利用したプライベートDMPの可視化分析ソリューションが有益」と語る中土井氏。実際に、DMP導入の際に併せてBIソリューションも導入する企業が増えているという。DMP導入後に最も大切なことは、データを分析しながらしっかりPDCAサイクルを回していくこと。その際にBIツールがあると、簡単なユーザーインターフェイスでダッシュボード的にKPIを追いかけることができる。
ビッグデータの活用、DMPの導入も、すべては売上げを増やすためのツール。それらを活用するために、「Dr.Sum EA」「MotionBoard」といったウイングアークのBIツールが威力を発揮する。DMPとBIツールをうまく使いこなすことが、競争の激しいECの世界で生き残るための重要な要素となりそうだ。