データ活用の満足度は「人材」が左右する
企業は「マーケティングにおけるデータ活用」をどう捉え、今年どんな取り組みを検討しているのか。スパイスボックスは、マーケティング担当者の理解や今後の活用意向についてインターネット調査を行った。
まず、データ活用状況ついてたずねたところ、「満足」「やや満足」など一定の満足を示すデジタルマーケティング担当者は合計52.8%に達した。
満足度を左右する要因としては「データ分析できる人材がいる」が64.4%と最も多い。このほかにも、「マーケティング全体を統括する責任者(CMOなど)がいる」「データを基点としたマーケティング支援を行う、有効なパートナーがいる」「上層部がデータ活用に関しての有効性を理解している」など、社内外の人材、理解のある上司の存在がデータ活用の満足度の重要な要素となっている。
続いてデータ活用に対する不満の理由をたずねると「人材不足」(64.4%)がトップになった。悩みが大きいからこそ、有能な人材を得たときの満足度も非常に高いようだ。次いで「データの集計・分析に留まり、課題抽出や施策策定に至っていない」「データ分析ができる人材の育成ができていない」「データを取得しているのみで活用できていない」といった回答が上位を占めた。
人材不足への対応方法としては、「社内での人材育成」と「外部機関への委託」といった取組みが上位となる一方、「とくに何もしていない」も約3割に達している。「外部機関による人材育成」に現在取り組んでいると回答した企業は約1割、今後取り組みたいとする企業は約3割となっており、今後は、外部サービスを活用した人材育成が増えそうだ。
現在保有しているデータ、今年チャレンジしたいこと
データ活用において2014年にチャレンジしたいことは、1位「部署間を連携したデータの統合」、2位「外部データの活用」、3位「自社の顧客データとソーシャルデータの統合」。では、企業は今どのようなデータを保有し、また取得したいと考えているのだろうか。
現在保有しているデータとしては「WEBアクセスログデータ」「顧客や見込み客の個人属性データ」「オンライン上での購買データ」「コールセンターのログデータ」など、自社で取得できるファーストパーティデータが多い結果となった。今後保有したいと思っているデータ種類としては、「個人プロフィールや行動ログなどのソーシャルデータ」「書き込み、つぶやきなどのソーシャルテキストデータ」や、気象データなどのオープンデータへの関心が高く、サードパーティ(外部)データの活用意向が高いことがうかがえる。
また、「広告出稿、レスポンスデータ」「CRMレスポンスデータ」といったマーケティング施策の効果検証を行うためのデータについても約3割が今後保有したいと回答している。
DMPの認知率は8割
データ活用を行う際のプラットフォームとして注目されているのがDMP(データマネジメントプラットフォーム)。DMPの認知率は約8割と、デジタルマーケティング担当者の間ではかなり進んでいるが、その内容まで知っている人は全回答者の約3割に留まっている。
DMPをすでに「導入済み」と答えた企業は9.1%。「導入に興味がある」と答えた企業は69.3%。「導入済み」「興味がある」と回答した人に導入の目的を聞いたところ、「顧客属性ごとのCRM最適化」が最も多く、次いで「サイトコンテンツの最適化」「既存顧客・潜在顧客へのリターゲティング広告の配信」と、サイトに訪れた既存顧客や見込み顧客を、優良顧客へと育成するためのCRM活用の意向が高いことが明らかになった。
【調査概要】
調査主体:株式会社スパイスボックス
調査テーマ:企業のマーケティング活動におけるデータ活用
対象者:企業のデジタルマーケティング業務担当者
有効回答数:309名
調査方法:インターネットリサーチ
実施機関:株式会社マクロミル
調査時期:2013年12月3日(火)~4日(水)
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