日本での「いいね!」数の平均推移を探る
次に、より一般的な傾向を確認しました。知名度の高い企業のFacebookページ約250ページを選定し、その投稿記事について調査をしています。調査の対象期間は2013年8月8日から8月13日までの5日間で、約1,300記事になります。
先ほどの「@nifty」ページと同様に、一週間後の「いいね!」数を100%とした時の推移を記事ごとに計算し、時間ごとに約1,300記事の平均値をグラフにしました。

今回の統計データによると投稿後の平均的な「いいね!」数は以下にようになることが分かりました。
- 10分後:約6%
- 3時間後:約50%
- 24時間後:約90%
アメリカでは50%達成まで90分でしたので、日本はアメリカと比べた場合、一つひとつの記事が長生きする傾向にあるのかもしれません。
一週間後の「いいね!」数を予測できるか?
さて、これまでの結果を見ると投稿直後の「いいね!」数の増加傾向から、一週間後の「いいね!」数をある程度予測することもできます。例えば、「投稿10分後に20いいね!がついた場合、一週間後の「いいね!」数はXXXになる」という具合です。この予測を実現するため、統計的な観点で予測モデルを作成し、さまざまな確率分布やモデル式を当てはめる中で、ガンマ分布の累積分布関数がデータの再現性が高いことがわかりました。
α:0.38, rate parameterのβ:1200

ガンマ分布やモデル作成方法についてここでの詳述は省きますが、この予測モデルを図示すると下図になります。赤い点線がいいね数の予測となり、得られているデータに上手くフィッティングしていることがわかります。

賞味期限の平均は3時間という結果に
今回は投稿後の「いいね!」数がどれぐらいのペースで増えるのか、言い換えれば、投稿記事の賞味期限はどれぐらいなのかを調べました。結果として平均では約3時間とアメリカの2倍あることがわかりましたが、あくまで現時点で我々がピックアップした記事の範囲の結果となります。
投稿記事の賞味期限を把握することで、たとえば、キャンペーンを告知する重要な投稿を行った際に極端にいいね!の伸びがなかった場合は、広告を出稿しリーチを伸ばす等の判断が早い段階でできるようになるのではないでしょうか。また、社内で投稿記事をシェアしてもらうように呼びかけるのなど、広告以外にも投稿のリーチを高める方法も考えられます。ぜひ参考していただけましたら幸いです。