Facebook投稿の“賞味期限”は
この数値を分析するメリットは、Facebookページで投稿した記事が、どれくらいのペースで「いいね!」されたのか、言い換えれば「賞味期限」がわかるという点です。
例えば、プレゼントキャンペーン告知の投稿をした時、平均の「賞味期限」よりも遅いペースで「いいね!」されている場合、広告を出稿して「いいね!」数とリーチを増やすといった判断を素早くできるようになると考えられます。また広告以外にも、社内の関係各位にシェアしてもらうなど、早めに次のアクションをするための判断がしやすくなる点もメリットと言えるでしょう。それでは、さっそく見ていきましょう。
まず同種の調査がないか調べてみたところ、海外では同種の調査がいくつか行われていることがわかりました。例えば、SocialCode, Inc.の調査によるとユーザーのアクションは、投稿後90分で約50%行われ、10時間後には80%に達するようです。日本でも同様の結果となるのかチャレンジをしてみました。
記事への「いいね!」の増え方を計測する
今回は日本での傾向をみるために、ニフティ株式会社のFacebookページ「@nifty」で確認しました。この調査では、投稿直後からの「いいね!」数の推移を10分単位で計測しています。調査イメージは下記の通りです。
下図は今回計測した14件の記事の「いいね!」数を追跡したデータです。投稿後一週間後の「いいね!」数を100%としたとき、どのように「いいね!」が増えていったのかを表しています。曲線はそれぞれ14件の記事に対応しており、ほとんどの記事は投稿4時間後には50%前後の「いいね!」されたことが分かります。
集計データ
- 対象期間:2013年6月25日から7月9日の14日間
- 対象記事:niftyの投稿記事14件
この「@nifty」のデータからは次のことが読み取れます。
1.投稿直後に多くの「いいね!」が押される
グラフを見ての通り、多くの投稿が似たような傾向を示しています。時間経過とともに「いいね!」の増加は鈍くなり、投稿後24時間後には90%前後に達します。また、9割の読者は1日以内に記事を閲覧していると考えられます。
2.「いいね!」の増加の勢いが衰えない投稿がある
一番下にあるオレンジ線の投稿に関しては、他の記事とは違う傾向でした。この記事は1週間にわたり記事広告を設定したため、その期間は一定ペースで「いいね!」数を獲得したと考えられます。他の投稿に比べ、長期間、一定のペースで「いいね!」を獲得したため、最終的には他の記事に比べると数倍の「いいね!」数になりました。また、「@nifty」と同じ期間(2013年6月25日から7月9日)の投稿で、「JAPAN AIRLINES (JAL)」、 「くまモンオフィシャル」の2つのFacebookページに対して同様の調査を実施しました。
「JAPAN AIRLINES (JAL)」、「くまモンオフィシャル」、「@nifty」のページを比較すると、推移は似ていますが、「いいね!」数が50%まで到達する時間は各ページで異なります。例えば「くまモンオフィシャル」は2時間前後、一方「@nifty」は4時間前後となっています。