インターネットの電子図書館「青空文庫」は、青空文庫の一式をおさめたDVD-ROM付き冊子「青空文庫 全」を、約8,000の図書館に寄贈することを発表した。
「青空文庫」は、著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストと XHTML(一部は HTML)形式で公開しているサイト。この寄贈計画は、青空文庫が2007年7月7日に開設10周年を迎えたことを記念して、社団法人日本図書館協会との協賛事業として行われる。
DVD-ROMには、青空文庫収録作品のうち、著作権の切れた作家と翻訳家407名の、約6,500点を収録。冊子では、DVD-ROMの使い方、寄贈計画のねらい、青空文庫の成り立ち、著作権保護期間の延長に反対する青空文庫の考え方などを説明する。寄贈は、10月27日からの読書週間に合わせて行われ、計約3,000の公共図書館、大学、短大、高専付属図書館に対して10月末に、5,000の高校図書館に対して11月20日ごろ届けられる。
青空文庫はトップページの広告収入で経費をまかない、税支払い後の剰余金を蓄積。「青空文庫 全」の寄贈に要する費用約300万円は、ここから支出するという。「青空文庫」の利用は、この10年の間に広がり続け、ニンテンドーDSで読む文学全集や、1冊100円、全30巻の文学全集、お風呂で読む本、大きな活字の文庫などが生まれている。「青空文庫」では、今後もさらに、この動きを、加速したいとしている。