ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のゲーム機「プレイステーション 3」(PS3)が参加している米国スタンフォード大学の分散コンピューティングネットワーク「Folding@home」が、9月16日、ギネス世界記録により世界で最も強力な分散コンピューティングネットワークとして認定された。
「Folding@home」は、2000年10月に始まった分散コンピューティング・プロジェクトで、全世界から100万個以上のCPUが参加している。このプロジェクトは、タンパク質の折りたたみ構造を研究し、関連する疾病の治療に役立てることを目標としており、すでに累計で67万人以上のPS3ユーザーが参加しているという。
今回、ギネスの認定を受けたのは、「Folding@home」の計算能力の瞬間ピークが、分散コンピューティング史上、前人未到の1ペタフロップスを超えたことによるもの。ペタフロップスは、コンピュータの処理速度を表す単位で、1ペタフロップスは1秒間に1,000兆回の浮動小数点演算が可能。PS3は「Cell Broadband Engine」という、64ビットのPowerプロセッサコアと複数の独立したSIMDプロセッサコアを有する、マルチコア方式のプロセッサを搭載しており、膨大なメディア演算をリアルタイム処理することが可能となっている。
スタンフォード大学化学科のビジェイ・パンデ教授は、「『Folding@home』が世界で最も強力な分散コンピューティングネットワークとしてギネス世界記録に認定されたことは、ゲームユーザーを始めとする世界中のプロジェクト参加者の多大なる貢献によるもの。PS3の演算能力なくしてはここまで飛躍的に我々の研究を進歩させることはできなかった」と語っている。
プレスリリース:「「プレイステーション 3」がスタンフォード大学の「Folding@home™」のギネス世界記録樹立に大きく貢献~「Folding@home™」が世界で最も強力な分散コンピューティングネットワークとして認定~」(PDF)