NTTアドは、ソーシャルメディアにおける情報共有の実態を把握するため、LINE、Facebook、Twitterのうち、いずれかのソーシャルメディアを利用している全国10~59歳男女924名を対象に、調査を行った。その結果、ソーシャルメディア・ユーザーは、仲間内でのクローズドでのコミュニティーか衆人環視下でのオープンなコミュニティーかを主な判断基準として、シェアするネタを使い分けていることがわかった。
SNSの利用制限、10代とそれ以外で認識に差
LINE、Facebook、Twitter、各ユーザーに対し、投稿の閲覧制限や申請制限を設けている場合を「クローズドなコミュニティー」、特に制限を設けていない場合を「オープンなコミュニティー」として利用意向を尋ねてみたところ、最も「クローズドなコミュニティー」として認識・利用されているのはFacebookの45.2%だった。特に、20代・30代は、LINEとFacebookを「クローズドコミュニティー」として認識・利用しており、グループ機能等を多用している。一方で10代はLINE・Facebookを「オープンなコミュニティー」として認識・利用している傾向が見られた。
交流相手、LINEは知り合い・Twitterは見知らぬ人と
LINEは「学生時代の友人や知人」59.7%、「家族や血縁関係にある人たち」50.3%など、関係性の深い他者との交流が活発であり、とりわけ最も親密な家族間のコミュニケーションツールとしての評価が高い。一方、FacebookはLINEに比べると、「家族や血縁関係がある人たち」と交流する割合が20ポイント以上低く、家族とのコミュニケーションにはあまり適さないと判断されていることが分かった。Twitterについては、「フォローした(された)人たち」といった、顔見知り以外との交流が41.7%と最も高かった。
LINEでは飲み会や食事会の情報を共有
Twitterで主にシェアされているネタは、「ニュースや記事で取り上げられるような話題性のあるできごと」12.7%、「テレビ・雑誌・新聞・ラジオの内容」10.9%など、マスメディアが発信する二次情報が多い。LINEでは、「自分で撮影した動画や画像」10.9%、「飲み会や食事会の情報」10.8%、など、大半が仲間同士での会話の延長線上にあることが分かった。Facebookでは「自分で撮影した動画や画像」19.7%、「自分の日々の行動記録」18.5%と、よりパーソナルな内容を投稿・シェアしている
Facebook、世代が上がるにつれクローズドな使われ方に
クローズドなコミュニティー」と「オープンなコミュニティー」で使い分けている傾向が強いFacebookのユーザーに対し、因子分析を実施し、性年代別にその意識を比較すると、Facebookを「オープンなコミュニティー」とする傾向がある10代では、日常的なニュースを手に入れるポータルサイトに近い存在と認識されていることが分かった。20代では、多様なネタをバランス良くシェアする傾向がある。30代は、主にプライベートなネタをシェアし合う、クローズドなコミュニティーとして活用していることが分かった。また、40代以上はシェアに消極的な傾向が見られた。
この結果から、10代は学校や家族、30代は会社や家族など、内向的なコミュニケーションを志向。一方、20代は他世代に比べ、他者とつながりたい欲求が強いと考えられる。
シェアされやすいネタは4パターン
20代、30代男女に対するグループインタビューから、シェアされやすいネタには4つのパターンが見られた。
1)キワモノ系シェア(男性/クローズドなコミュニティー内にて)
お騒がせネタ、ハプニング系のネタなど、ややきわどいネタを、Twitterなど、やや匿名性の高いソーシャルメディアや、LINEやFacebookのグループ内にシェアすることで「仲間内感」を共有する
2)ネタバラシ系シェア(女性/クローズドなコミュニティー内にて)
「Instagram」など、フォロワー数が限定され、趣味性の高い仲間同士で繋がるソーシャルメディアでは、自分のファッションのネタばらし(服を買ったショップ、値段など)を共有する
3)情報武装系シェア(男性/オープンなコミュニティー内にて)
Facebookのタイムライン上など、オープンな場では、ビジネスネタやニュースネタ、自己啓発ネタなどをシェアし、仕事に対する意欲をアピールする
4)女子感演出系シェア(女性/オープンなコミュニティー内にて)
流行りモノの飲食店や新商品、流行のスポットなどに行ったり買ったりした体験を共有することで「新しい、おしゃれなもの好き」の女子感を共有する
【調査概要】
調査対象: LINE、Facebook、twitterのいずれかのアカウントを所有している15歳~59歳の男女
回収サンプル:924サンプル
調査期間:2014年7月4日~7月6日
調査方法:インターネット調査
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