SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

大元隆志のマーケター訪問記

オペレーターから念願のマーケターへ!若手女性マーケターの奮闘記/NTTコミュニケーションズ編


マーケターとしてのつまずきと成功体験

伊藤忠テクノソリューションズ ITビジネスアナリスト 大元隆志氏

――今までの経験でつまずいたことはありますか。

白江さん:今担当しているサービスのリリース後に、最初のキャンペーンを行った時です。新規顧客の獲得とサービス自体の認知向上をねらって、「最大2か月無料」などの特典を一定期間付けるようにしました。このキャンペーンは好評で、500社を超えるお客さまから約4万IDという、想定以上の申し込みがあり、我々にとっては嬉しい悲鳴でした。ところが、無料期間が終わると解約者が続々と出てきてしまったんです。当初は、何が起こったのか全くわかりませんでした。

――BtoBの業態で4万IDの申し込みはすごいですね。でも、解約者が続出した理由は何だったのでしょうか?

白江さん:調べたところ、解約した人の大半がサービスを申し込んだだけで、実際の利用を開始していなかったことがわかりました。営業担当者やお客様にヒアリングした結果、その最大の理由は、利用者にとって初期設定作業が、我々が想定して以上に複雑だったということでした。

 気楽に利用してもらうため特典を付けたのに、その後の手続きは全然楽ではなかった。申し込ませようというサービス提供者側の視点に偏ってしまい、利用者側の視点が欠けていました。

――なるほど、つまずきはしたものの、同時に気づきも多かった経験ですね。では、成功体験は?

白江さん:そのキャンペーンの失敗から、問題を分析してサービスを改善したことです。 まず、初期設定の作業工程で利用者がどこでつまずくのかを洗い出し、そこに対する改善を行いました。さらに、無料期間中に申し込んで、まだ利用をしていない人にフォローを入れるようにしました。こういった工夫を重ねたことでサービス利用率が改善し、無料期間終了時の離反率を減少させることができました。

――素晴らしいですね。では、今、抱えている課題は何かありますか。

白江さん:これまで営業を通して大企業を中心に販売してきたので、中小企業へも販路を拡大するために、Web経由での販売増加を画策中です。

――Web施策としては、どういった点に取り組まれているのでしょうか。

白江さん:個人的にはまだ不慣れな分野ですので、勉強しながら、SEO対策をはじめ一般的な取り組みは行っているつもりです。試行錯誤を重ねてPV数は徐々に増加傾向にあるので、次はコンバージョン率を高めることが課題ですね。他には何か良い方法ってあるでしょうか……。

――一般的にはコンテンツの内容を変えたり、キャンペーンを実施したりですが、最近は「なぜ、ユーザーは離反したのか?」を推測するためのツールが色々と出てきていますよね。昔のように「勘」だけでコンテンツをいじる時代ではなくなってきています。

 例えば、商品をカートに入れたのに、その後会計に進まなかったユーザーに何が起きたのかを推測するツールです。ユーザーのマウス遷移を録画したり、ヒートマップを作ることで、ユーザーのUXを改善したり、コンテンツ内容を改善したりします。一定期間経つとチャットウインドウが出て、チャットで困っている点をリアルタイムで聞く、というのも「背中を押す」には有効だと思います。

白江さん:ありがとうございます。ほかには、せっかく申し込みフォームのページまで到達しても、なかなか実際のお申し込みへつながらないことも課題です。申し込みフォームの項目数を減らすなど、工夫はしているのですが……。

――そうなると、ユーザーが本来必要とする情報が見当たらなかったり、何か躊躇してしまうものがあるのかもしれませんね。そもそもの誘導方法自体を見直さないいけないかもしれませんね。

白江さん:はい、そうですよね。今はサイトに訪れた方の期待をコンバージョンに繋げられるように、インバウンドに改善していきたいと取り組んでいます。

次のページ
マーケターの日常

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
大元隆志のマーケター訪問記連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

大元 隆志(オオモト タカシ)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドインテグレーションビジネス推進部 エキスパートエンジニア
国士舘大学 経営学部 非常勤講師

通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。現在はCASBソリューションのセールス開発・プリセールスを担当する一方で、国士舘大学 経営学部にて学生向けに企業におけるクラウド、モバイル利活用について講座を担当する。最新のIT動向や技術動向分析が高く評価され、ヤフーニュース、IT Leaders、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/10/06 12:52 https://markezine.jp/article/detail/20984

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング