最も重要視しているのは、クリックしてもらえる広告をつくること
同社は2013年9月から、Facebook広告の活用を始めた。「モバイルアプリインストール広告が始まった時、『TOLOT』もアプリのサービスなので、これはきっといけると思いました。試してみると、リスティング広告と同じCPA(新規会員獲得単価)で、10~20倍の会員数を獲得することができました。また、Facebook広告実施前後で売上は2倍に増加し、1日のアプリダウンロードのうちFacebook広告経由が50%に。今まで、ここまでインパクトのある広告はなかったですね」と田崎氏。

しかしながら、Facebook広告施策を続け、ある程度インプレッションが出たところで、サービスの認知度が高まったこともあり、少し効果が落ちてきたという。
「その時にどう対処すべきか、思考錯誤しました。その際に、CTRを高い状態で維持する視点、つまりクリックしてもらえる広告を作るということを最も重要視し、KPIとしていました。あらゆるターゲット層と広告の種類を組み合わせて、キャンペーンを設計しました。もちろん価格も、管理画面を見てほぼ毎日調整しています。その結果、ここ1年間で、つくったキャンペーン数は200程度、広告(クリエイティブとターゲットの組み合わせ)は約1,000パターンにのぼります」(高橋氏)
Facebook広告施策の結果から、潜在顧客のマーケティング仮説を導き出す
そしてFacebook広告施策におけるターゲティングの秘訣についてたずねたところ、「はじめてFacebookに広告を出した頃は、年代などを細かく区切って、女性/既婚/子どもがいると思われる人など、セグメントを多数作りました。その結果、反応のよかったセグメントが、ママやカップルであることが見えてきたので、そこに予算を寄せていきました」と高橋氏は語る。
「広告を使って、潜在顧客の仮説を立てて、反応が良かったセグメントに対してさらにパワーをかけていきましたね。最初はたくさんの仮説をたてて、施策を実施し、そこから結果が良かったものに対して、さらに予算を投下して、ブラッシュアップしていきました」(田崎氏)
実際にどのような新たな発見があったのかをたずねたところ、「ペットや旅行といったキーワードで訴求したほうが、ユーザーの心に響くのではと当初は考えていたのですが、それよりもカップルたちに訴求する方がサービスの利用度が高いことがわかりました。これはFacebook広告施策を実施したからこそ、発見できたことです」と高橋氏は答える。
ターゲットの心に刺さる言葉をSNSから抽出
先に触れたように、『TOLOT』のユーザーの9割近くは女性だ。ターゲットである女性の心に刺さるキーワードを考えるにあたって、「女性社員の意見を聞いたり、女性誌を参考にしています。それこそ『プチプラ』なんて言葉は、教えてもらって初めて知りましたし」と田崎氏。

また、FacebookやTwitterなど、ソーシャルメディア上で、客観的にTOLOTをすすめている人の言葉を抽出したりしているという。
「仕事として考える言葉と、リアルに話している言葉には、決定的な差があります。言葉としては仕事モードで考えたほうが正しいのですが、文法が多少おかしかったとしてもリアルな言葉をそのまま使った方が、人の心には響きます。そういった意味でも、実際のお客さまが何気なくつぶやいてくれている感情や言葉を参考にしています」(田崎氏)