SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

キーワードはエクスペリエンス向上、Adobe Marketing Cloudが目指すアプローチ方法


 多くのIT系企業がデジタルマーケティング領域での事業展開を進めている。このような状況で、アドビはどのようなアプローチをしてゆくのだろうか。Adobe Marketing Cloudプロダクトマネジメント シニアディレクターのスティーブ・ハモンド氏に聞いた。

目指すのは“個”の理解と最適なエクスペリエンスの提供

Adobe Marketing Cloudプロダクトマネジメンシニアディレクター スティーブ・ハモンド氏
Adobe Marketing Cloud
プロダクトマネジメント シニアディレクター
スティーブ・ハモンド氏

編集部:様々な企業がデジタルマーケティング領域に進出しています。そのなかで、アドビの強みは何でしょうか?

ハモンド氏:当社が提供するAdobe Marketing Cloudでは、6つの領域でソリューションを展開しています。集客から始まり、ユーザーごとに最適化した体験を提供して行動を促し、その結果を分析して可視化するためのものです。しかし、このワークフローを実現するためには、ソリューション間で画像、写真などのアセット(資産)や顧客のプロファイルを共有して、担当者同士で相乗効果を出すことが必要不可欠です。

 

 例えば、分析担当が見ているレポートをソーシャルやオウンドサイトの担当者が共有できれば、売上について急激な変化があった場合に、いち早く一緒に対策を打つことができます。しかし、ソリューション間での連携が取れていなければ、分析は分析、ソーシャルはソーシャルといった形で止まってしまう。つまり、各ソリューションを繋ぐ必要があります。当社では5つのコアサービスがそれを担っています。コアサービスによってソリューションを統合することで、より多くの価値を提供する。そこに当社の強みがあると考えています。

 また、当社が目指しているのは、より詳細な個の認識と最適なエクスペリエンスの提供です。恐らく多くのマーケターが直面している問題だと思いますが、チャネルごとに散らばって蓄積されている顧客のプロファイルを一元管理することが求められています。そこから意味ある情報を抽出して、リアルタイムで活用していくことが重要です。この点について、アドビは他社よりも先行していると考えています。

 例えば、Adobe Marketing Cloudの場合、各顧客の会員登録をしたタイミングや、各種Web広告との接触回数、訪問時に使用したデバイスなどのデータを顧客のプロファイルとして管理することができます。このデータをAdobe Analyticsを使ってセグメントを作成し、そのセグメントに対してAdobe Targetでどのコンテンツが刺さるかテストを実施するなどのアプローチすることが可能です。

データ活用には顧客目線が不可欠

編集部:顧客の情報を詳細に把握してアプローチをかけることは、顧客から気味が悪いと思われるリスクもあるのではないでしょうか?その点についてはどのような考えを持っていますか。

ハモンド氏:これはどの国でも聞かれる質問です。前提として、当社はツールを導入したすべてのお客様に対して、知らずに過剰な個人情報を取得しないよう、顧客に関して取得した情報をアドビに公開することをお願いしています。加えて当社のお客様同士間でデータを共有することも絶対にありません。また、顧客が情報提供に同意しなければ取得をしないと決めています。

 しかし重要なのは、情報を取得する企業側がプライバシーに関してきちんと高い基準を設けることです。顧客は当社とではなく、ツールを使用している企業と関係を持っていることになります。そこでの信頼関係をどう築くかがポイントになるでしょう。

編集部:企業は何を意識する必要があるでしょうか

ハモンド氏:ユーザーエクスペリエンスをより良くするにはどうするか、お客様視点になって考えることが重要だと思います。例えば、オフラインで頻繁に行くお店が自分のことを知っていて、適切なタイミングで何かしらサービスをしてくれるのは悪いことではないでしょう。当社が行なっていることは、馴染の環境の中でより良い体験を提供するためのデータ活用です。あくまでもデータ活用の目的は、顧客が今以上に良い経験を得ることなのです。

 そのため、企業側もコンバージョンありきとか、KPIといった数値目標だけに縛られるのではなく、お客様目線でどういったものを期待値にして接するべきかにフォーカスする必要があるでしょう。この視点を失ったときに、顧客が気持ち悪いと感じるデータの利用が発生してしまいます。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
一見小さな顧客体験が競争力を左右する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/06/18 16:05 https://markezine.jp/article/detail/21088

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング