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マーケター必見、ビッグデータ活用最新動向

いま必要なのは「アナリティクスアプローチ」、ビッグデータ活用の課題とこれから

 

あなたのビッグデータ活用レベルは?

 ビッグデータの大家であるトーマス・H・ダベンポート氏はデータ分析には3つのフェーズ(1.0、2.0、3.0)があると述べている。データと分析という観点から3つのフェーズを要約し、さらに広告業界にブレイクダウンしたものが次の図だ。

参考:トーマス・H・ダベンポート(2014)『データ・アナリティクス3.0 ビッグデータ超先進企業の挑戦』
有限責任監査法人トーマツデロイトアナリティクス(監修)、小林啓倫(翻訳)、日経BP社

 一般的に1.0のレベルで行なっているのはデータ可視化・要約であり、従来の分析で事足りるレベルだと言える。1.0を広告業界に当てはめると、自社のサイトに訪れたユーザーを日次で集計して定点観測ができている。そのユーザーの性別や年齢といったデモグラフィック属性を可視化し、傾向から次の広告配信対象をマーケターが判断し抽出している段階だ。ここでは予測や最適化は行われない。

 2.0はそこに予測と最適化が加わる。あるキャンペーンにおいて最も獲得コストが低く、かつ最も多くのコンバージョンが獲得できるセグメントを切り出す。自社顧客見込みの予測をオーディエンス単位で定量的に算出できていて、その確率に応じてダイナミックに予算の分配を行う等の行為が当てはまる。

 3.0は2014年現在まだ全容は明らかではないが簡潔に述べると、社内外からデータを集約し、企業が業務プロセスのみならず、自社製品にデータ分析が適用され最適化される段階だ。広告業界に照らし合わせると、ネット広告に限らず4マスやインバウンド全てのデータが統合され、そこから得られるデータが企業製品に対して何らかの付加価値を与える。そしてその製品から得られたデータが再度広告コミュニケーションに瞬時に還元されるといったところだろう。

具体的なアナリティクスアプローチ

 現状の広告業界の活用レベルは、「1.0以上2.0未満」という感じではないだろうか。つまり、今抱えるビッグデータ活用の足元の課題は「活用レベルのアップ‐1.0から2.0への飛躍‐」と言える。2.0以上へのアプローチを従来のアプローチで行おうとすると、先ほど述べたように作業の煩雑化と有効な切り口の見落としから実現は不可能だ。そのため、代替のアプローチとしてアナリティクスアプローチが必要となる。

 そして、この実践には予測のための数理統計的知識や、最適化のための機械学習の知識など高度専門的な知識が必要だ。しかし、こうした知識の習得はマーケターの本業ではない。そこで、我々はデータ解析のプロフェッショナルとして、広告会社・広告主のアナリティクスアプローチを支援する試みを行った。次回以降は具体的なアナリティクスアプローチの事例を紹介する。

 第2回のテーマは、「新規顧客獲得を望む広告主に適用したキャンペーンパフォーマンス最適化」。この場合のアプローチ方法と、DACが開発したコンバージョン確度の高いユーザーを予測するプロダクトについて紹介する。(ビッグデータ解析部 シニアデータサイエンティスト 漆畑充)

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この記事の著者

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)ビッグデータ解析部(デジタルアドバタイジングコンソーシアム ビッグデータカイセキブ)

 2013年、「ビッグデータを基盤に、広告主・媒体社と生活者のコミュニケーションを豊かにする」ことをミッションに設立されたデータ解析のプロフェッショナルチーム。データサイエンティスト、エンジニアなど多様なバックグラウンドを持つデータ解析のスペシャリストたちが、日々自社プラットフォームにかかわるデータ全てを解析し、プ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/11/27 13:00 https://markezine.jp/article/detail/21293

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