本連載は広告主・広告会社のマーケター向けに、ビッグデータ活用について事例を交えて、データサイエンティストの立場から解説します。第3回目のテーマは「オーディエンスプランニング」。ブランディングのためのビッグデータ活用について紹介します。
オーディエンスプランニングとは
DSP/RTBという技術は当初、リターゲティングによる「コンバージョン獲得」という形でビジネスインパクトをもたらした。その流れは現在も続いているし、市場としても拡大を続けている。しかし、DSP/RTBの活用意義はコンバージョンの獲得のみにとどまらない。DSP/RTBはDMPのオーディエンスデータと組み合わせて活用することで、直接「人」にリーチするということが技術的に可能になってきた。これがオーディエンスプランニングだ。
オーディエンスプランニングは決して新しい概念ではない。旧来、広告出稿の際に行われてきた「メディアプランニング」も、広告主がリーチしたいターゲットが接触していそうなメディアを想定してアプローチするという意味では「間接的なオーディエンスプランニング」だったともいえる。昨今の広告出稿のプランニングは、ターゲットそのものを定義してリーチするという直接的オーディエンスプランニングへ移行してきている、ということだ。
つまり、横山隆治氏の著書(横山 隆治・菅原 健一・楳田 良輝(2012)『DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門』インプレス)で言われているように、「枠から人へ」という変化が現在のインターネット広告の大きな潮流となっている。
ビッグデータがブランディングにどう貢献する?
前回紹介した、オーディエンス拡張は、より効率的にコンバージョンを獲得することが目的となるため、ページの閲覧履歴などを元に、できるだけ自動的に行われるのが望ましいとされる。その際、そのオーディエンスの性年齢、興味・関心といったことを理解することは必ずしも重要ではない。
一方、ブランディングを行う上では「どんな人に」「どんなコンテンツを」「どんな文脈で」届けるのかという、企業の意思を広告コミュニケーションに反映することが重要だ。届けるべき人に、届けるべき時と場所で、届けるべきメッセージを届けたい。この場合は、コンバージョンしたユーザーに似たユーザーを自動的に抽出してターゲティングするオーディエンス拡張ではなく、オーディエンスの性年齢や興味・関心を、人が理解して、広告配信する「オーディエンスプランニング」が求められることが多い。
つまり、今回のテーマである「オーディエンスプランニング」のためのデータ活用とは、「データを人が理解して人が活用できる情報に、精度高く変換すること」だ。
データの活用方法は1通りではない
オーディエンス拡張もオーディエンスプランニングも、元になる膨大な量の生ログ(一切加工されていない生の状態のアクセスログ)のアナリティクスが重要だ。

そのためには、機械が自動的に解析を行う「マシンラーニング」が必要だ。前回解説したリターゲティングでは、マシンラーニングで入札ロジックや拡張モデルを最適化する。一方、今回取り上げているオーディエンスプランニングでは、生ログを人間が解釈可能なデータとして整備し、可視化するためにマシンラーニングが行われる。次のページから、「オーディエンスプランニングのためのデータ解析」がどのような考え方で、どのように進められるのか見ていこう。
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デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)ビッグデータ解析部(デジタルアドバタイジングコンソーシアム ビッグデータカイセキブ)
2013年、「ビッグデータを基盤に、広告主・媒体社と生活者のコミュニケーションを豊かにする」ことをミッションに設立されたデータ解析のプロフェッショナルチーム。データサイエンティスト、エンジニアなど多様なバックグラウンドを持つデータ解析のスペシャリストたちが、日々自社プラットフォームにかかわるデータ全てを解析し、プ...
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