SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineニュース

「現状では100%ビューアビリティ実現は無理」、IABが発表した広告業界が厳守するべき7つの原則

 不適切な環境で表示された広告のインプレッションをもとに、広告費を得ようとする広告詐欺への懸念が高まっていることから、米国では複数の業界団体が調査研究を行い、その対策を模索してきた。

 MRC(Media Rating Council)が今年6月に発表したガイドラインでは、「ビューアブル・インプレッション(Viewable Impression、人間が目視可能なインプレッション)」に分類されるには、ブラウザのウィンドウ内、あるいはアクティブなタブの上に表示された広告が、あらかじめ指定された面積と時間についての基準をクリアする必要がある。ディスプレイ広告の場合、広告のピクセルの50%以上が表示されていること、描画されてから1秒以上連続して上記ピクセルが表示されていることが求められる。

 IABが16日に発表した “State of Viewability Transaction 2015”は、デジタルメディアおよび広告業界が、ビューアブル・インプレッションの割合を100%にするために必要な方針を示したもの。その前提となっているのは、MRCが今年10月に示した「現在では、広告キャンペーンの分析において、100%のビューアビリティ実現を求めるのは無理」という現状認識だ。

 異なる広告ユニット、ブラウザ、プレースメント、ベンダー、測定手法が、異なるビューアビリティの数値を生み出している。そのため、より強い共同作業と信頼の構築が必要として、IABは2015年を100%ビューアビリティを実現するための移行の年と位置付け、マーケター、エージェンシー、パブリッシャーが2015年に厳守するべき7つの原則を明らかにした。以下はその抜粋である。

1. すべての請求は、キャンペーンで配信されたインプレッション(Served Impressions)の数をもとに行なうことを継続し、2つのカテゴリ「Measured(測定されたインプレッション)」「Non-Measured(測定されていないインプレッション)」に分けるべきである。(※)

※MRCは、測定されていないインプレッション=非ビューアブル・インプレッションとみなすべきではないとしている。

2. 現在のテクノロジーの限界、およびパブリッシャーの測定に30~40%の相違が見られたことから、2015年は、閾値として、測定されたインプレッションで70%のビューアビリティを固守することを推奨する。

3. キャンペーンが70%のビューアビリティを達成できない場合、パブリッシャーはその閾値を満たすまで、追加のビューアブル・インプレッションを補填するべきである。

4. 上記の補填は現金ではなく、適切な時間の枠内での配信によるものとする。

5. 242,500ピクセルかそれを超える大きな広告フォーマットの場合、その広告のピクセルの30%が最低でも1秒間ビューアブルであれば、ビューアブル・インプレッションと計測される。

6. バイヤーとセラーの間のすべての取引は、MRCが認証したベンダーのみを使うこと。

7. バイヤーとセラーは事前に、ひとつの計測ベンダーについて合意すること。

 IABは2015年を100%ビューアビリティを実現するための移行の年と位置付け、これらの原則を守ることを広告業界に呼び掛けている。

 また、Videologyが17日に発表した動画広告のビューアビリティに関するレポートでは、VASTによる広告呼び出しによって配信された広告はビューアビリティを計測できず、VPAIDによって配信される広告だけが計測可能と説明。現在では動画広告在庫の約30%は、ビューアビリティの計測が不可能だとしている。また同調査では、各種ターゲティングがビューアビリティに与える影響、業界ごとのビューアビリティの違い、さらには、ビューアブルと測定されたインプレッションとそうでないインプレッションのROIを比較するデータを紹介し、ビューアビリティを重視しすぎることのリスクについても指摘している。

【関連記事】
Google、ディスプレイ広告のビューアビリティ調査結果を発表、目視不能な広告は56.1%に
IAB、広告詐欺を防止するためのガイドラインを発表
IAB、プログラマティックバイイングのための標準API仕様「OpenDirect 1.0」発表
MRC、ディスプレイ広告と動画広告のビューアブルインプレッション測定についての最終的なガイドラインを発表
DataXu、広告詐欺の割合が投資額の3%を超えると払い戻す新サービス
 

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZineニュース連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/12/18 15:46 https://markezine.jp/article/detail/21635

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ


イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング