SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

「データを理解して採用を根本から変えたい」アトラエが進めるデータ活用

人を多角的に理解できるソーシャルデータ

――御社にはGreenとは異なる、採用支援サービスがあります。そちらではどのようなデータ活用をしているのですか?

岡氏:「TalentBase」というサービスを展開しています。これは「JobShare」というサービスを3か月前に拡張リニューアルしたものです。もともとのJobShareは、ソーシャルデータを利用したソーシャルリクルーティングサービスでした。

 人は、テレビや新聞などの一般的なメディアから得られる情報よりも、ネット上の口コミなどの集合知から得られる情報を信頼するようになっています。さらに、それらよりも自分が信頼する人から得られる情報をより重視する傾向にあります。この情報の構図を人と企業の出逢いに適用し、「この人が良いと言っている人・企業なら信頼できる」という出逢い方を可能にしたのがJobShareでした。

 JobShareを通して人と企業の出逢いを生み出していく中で、ソーシャルデータにまつわる面白いことが色々と分かってきました。例えば、その人がどんなことに興味を持っているのか、どんな人と深い関わりを持っているのか、どんな人から興味を持たれているのか、周囲に対してどれだけ影響力があるのか、などです。人を多角的に理解することができるソーシャルデータの可能性に対する期待がどんどん大きくなっていきました。

一つのデータは軽くても、積み重なると大きな価値になる

――JobShareをTalentBaseにリニューアルされたのは何故ですか?

岡氏:僕たちが思い描いている採用の理想像は、「人や企業を理解するための情報が限りなくオープンになっている場があり、そこで適切な出逢いが生まれ続けている状態」です。それを実現するためにGreenやJobShareを運営しながら、未来の採用のあるべき姿を考え続けていました。

 JobShareが持っていたソーシャルデータの可能性に気付き始めた頃に、私ともう一人のエンジニアの二人で、ソーシャルデータから様々な「意味」を抽出するという研究開発を開始しました。その研究開発によって「可能性」が「確信」に変わってきたことによって生まれたのがTalentBaseです。

――TalentBaseリリース後、実際の感触はいかがですか?

岡氏:現在、TalentBaseはテスト段階で、新しい採用手法に感度の高い一部企業に有料版サービスをご利用いただいている状態です。そのため、人と企業のトランザクションがとても多いわけではありません。ですが、サービス内での動きは活発なので、人と企業が出逢うために有効なデータは順調に集められています。

TalentBase(企業の管理画面)
TalentBase(企業の管理画面)

 TalentBaseは、ソーシャルデータからビジネスにおける能力や経歴、特徴などを抽出し、ビジネスプロフィールデータを生成することができるという仕組みを持っています。海外には既に近しい仕組みのサービスも存在し、採用にソーシャルデータやオープンデータを利用する事例が増えてきています。TalentBaseでは、Facebookログインをするだけで、上述したビジネスプロフィールデータを生成することができます。

 さらに特徴的なものとして、友だちを気軽に評価し合う「評価ゲーム」を用意しています。「仕事が早いのはどっち?」「一緒に飲みに行きたいのはどっち?」といった質問に対し、友だち2人の中から1人を選択するというものです。リリースから3か月で既に2万件近い評価データが蓄積されています。

 一つひとつの評価データは小さな意味しか持たないかもしれませんが、それを大量に集められれば、十分に確からしいことが分かると思っています。実際に、僕に対する友達からの評価は200件を超えていて、そのデータを解析すると、技術力、熱意・体力、人間性への評価が高く、クリエイティブ、ルックスはあまり評価されていないことが分かります(笑)。友だちからポジティブな評価を受ける機会も意外にないと思うので「面白い」「もっとやってみたい」「自分って意外とこう思われているんだ」と楽しみながら使っていただけると嬉しいですね。

 このようにソーシャルデータから個人データを生成したり、評価データを個人に蓄積したりすることで、多角的にその個人を理解することができると思っています。人を理解するためのデータを分解すると、主観的・客観的・定量的・定性的の4種類があると考えています。通常の採用の現場で個人を判断する際、主観的データと定量的データを参考にすることが比較的多いかもしれませんが、それと同等、もしくはそれ以上に客観的データや定性的データも重要だと僕たちは考えています。

 今までの採用活動の常識では、主観的、定量的データはレジュメから、客観的データはリファレンスから、定性的データは面接から、取得する流れが一般的でした。この4種類のデータを可能な限り集め解析することで、新しい採用のマッチングが実現できると考えています。

次のページ
ソーシャルデータによって転職潜在層との出逢いを生み出す

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/06/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/22530

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング