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マルケトが語る、マーケティングオートメーション最新動向(AD)

「BtoB事業の勝ちパターンを掴み、地方創生への貢献強化を」ビズリーチが語る、マルケト導入の狙い

 管理職とグローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」ほか、複数の転職サイトやアプリ開発などを手がけるビズリーチ。同社は2015年1月から、BtoB事業、つまり人材を採用したい企業に対する事業にマーケティングオートメーションツールのマルケトを導入。「ホットなリードに機を逃さずアプローチできるようになった」と、BtoBマーケティング部 部長の福家哲郎氏は手応えを語る。

「ホットなリードが後回し」機会損失が大きな課題

 転職支援サービスとしては後発となる2009年の創業ながら、「ビズリーチ」「キャリアトレック」などを展開し、同業界で急成長を遂げているビズリーチ。同社は2015年1月からマーケティングオートメーションプラットフォームのマルケトを導入している。今回、導入・運用を担当している福家氏と髙橋氏に導入の背景と、手応えを聞いた。

株式会社ビズリーチ BtoBマーケティング部 部長 福家哲郎氏(左)、同部 高橋隆之氏(右)
株式会社ビズリーチ BtoBマーケティング部 部長 福家哲郎氏(左)、同部 髙橋隆之氏(右)

 「人材の会社というとアナログで回していると思われがちですが、我々のドメインはWeb」と福家氏は語る。人材の会社としてだけでなく、ネット企業としてもサバイブしていくために、新しいソリューションの導入にも積極的だ。

 同社の顧客である「転職をしたい個人」と「人材を求める企業」のうち、BtoBマーケティング部が向き合っているのは後者。これまでも経営者や役員、人事部などを対象とした企業向けサイトの運営や人事系の展示会・セミナーへの参加など、複数の施策を展開してきた。その成果として、リードをさまざまなチャネルから獲得できるようにはなっていたが、増えるリードに対応するにあたって課題も生じていた。

 そのひとつが、「優先順位がつけられない」という点だ。昨年夏からBtoBマーケティング部を強化しようと、運用体制を見直した結果、こうした課題が浮かび上がってきた。「獲得した時系列でしかアプローチできず、ホットなリードが後回しになってしまったり、あるいは情報収集フェーズの人にプッシュしすぎて疎遠になってしまったりと、商談の機会損失が起きていました」と福家氏は振り返る。

決め手は「優先順位の高度な可視化」と「直感的なUI」

 同時に、同社ではWebサイトやメルマガのコンテンツ面にも課題があった。タイムリーにサイトを更新したり、テキストメールより効果が見込めるHTMLメールを展開したりするにも、デザイナーのリソースが豊富にないと追いつかない。専門知識のないマーケターが、コンテンツ面の工夫を自由自在にできないかというニーズも浮かび上がってきた。

 そこで2014年10月、これらの課題を解決できるソリューションの検討を開始。いくつかのマーケティングオートメーションツールを比較検討し、わずか2週間ほどでマルケトの採用を決定した。

 マルケトサイドの感触としても、この意思決定はかなり早いケースとのこと。同社では「リードの優先順位をつけたい」という課題が明確だったため、これを十分に実現できる候補がそもそも多くなかったそうだが、決め手になったのは何だったのだろうか?

 福家氏は「いくつかのデモを体験した結果、マルケトが最も直感的で使いやすいUIだった」と印象を語る。マーケターがデザイナーに頼ることなくコンテンツを操作できるように、との要望にも合致する点から、すぐに決裁がおり、導入が決まったという。

 2か月ほどのテスト運用を経て、さらに年明け、ツール運用の専任者としてBtoBマーケティングの経験を積んだ髙橋氏が入社。1月より正式に運用をスタートさせた。

2か月で本格運用へ、スムーズに導入が進んだ理由とは

 マーケティングオートメーションツールには「導入が難しいのでは」というイメージもあるが、「マルケトの担当の方には毎週来ていただき、細かい部分を詰めていきました」と福家氏。髙橋氏の参画後も、新たに発生したシステム連携や要望などについて相談しながら、ビズリーチが実現したいBtoBマーケティングのオートメーション化を進めていった。

 「やりたかったことが決して単純ではなかったので、苦労はあったといえばありました。ですが、それを補うだけのサポートをしてもらえたと思います」と髙橋氏は語る。

 ビズリーチでのツール導入がスムーズに運んだ背景には、いくつかの同社ならではの要因がある。まず冒頭の福家氏の言葉どおり「Webがドメインである」企業のため、導入チームにもネットリテラシーが高いメンバー、アプリケーションのメカニズムをよく知っているメンバーが多かったこと。加えて、BtoBマーケティングの知見を持った専任者が新たに入社したことだ。

 だが、マルケトのマーケティングオートメーションツールの利点のひとつは、ITやWebの知識が浅いマーケターでも直感的に使える点にある。必ずしも、知見を持ったプロフェッショナルな運用担当が必要、というわけではない。むしろ「体制を整える」という企業側の本気度が問われるようだ。

重要なことは、組織内の体制構築

 ツールを導入してすべてが変わるわけではない。「課題解決のための意思決定がないと、ツールもフルに活用できない」と福家氏。ツール導入の前後で、社内的に大きく変わった点は、ナーチャリングの体制が初めてできたことだ。優先順位がつけられない状況を打破するため、「ナーチャリングの体制を強化する」という企業の方針の下にツールを導入し、専任者を迎える。このような流れだったからこそ、運用もスムーズだったといえそうだ。

 では、ツール導入によって実際にどのくらい作業コストが低減したのだろうか? 髙橋氏は、同社内では元々実行していなかった業務のため単純比較は難しいとしながらも、自身の経験を踏まえて次のように語る。

 「このようなマーケティングオートメーションツールがない状態だと、まず情報を引き出すのに時間がかかる。データベースからセグメントを切り、ターゲティングしていくにも専門知識が必要です。その点、マルケトは感覚的に操作できるので、システムに詳しくなくても扱えます。データベースマーケティングに苦労している会社なら、かなり作業を楽に進められるのではないでしょうか」(髙橋氏)

リードスコアリングとメールテストで業務を高度化

 実際、ターゲティングの調整や配信のセットにかかるのは数分単位。PDCAも回しやすい。「ちょうど今は、いくつかセグメントを切り、このコンテンツであれば次に顧客がこういう動線をたどるだろう、という仮説を立てて検証しています」と髙橋氏。次の日には結果を受けて、シナリオをすぐに作り直すという手順を重ねることで、着実に成果を高めている状況だ。

 メールマーケティングでのKPIは、ツール導入以前からメールの開封率とクリック率を追っている。導入後、例えばクリック率は1.8倍になるなど、ターゲティングの精度向上に伴って上昇している。「HTMLメールに切り替えられたことも大きいと思う」と福家氏。開封率を左右するメールタイトルも、ABテストを使って検証している。

 さらに、リードのスコアリング機能も活用。メールを開封した人は1点、資料をダウンロードした人は5点、など重みをつけている。ただし、スコアによってアクションを自動的に決めているというよりは、営業がフォローできていないリード、つまり「機会損失がないか」をチェックするために用いているという。例えば、50点なのに誰もフォローしていない人がいたら、営業へ自動でアラートメールが送られるようになっているという。

 「各リードがどういった経路をたどってきたかが分かることも、営業に役立っていますね。このシナリオのこの地点までいた人なら直接フォローしてもらおうなど、ステータスに合ったアプローチができるようになりました」(髙橋氏)

 「ツールの導入前後で、営業担当者の業務プロセスほとんど変化がありません。その一方で、業務としては高度な内容が実現できています」(福家氏)

目指すは「地方創生」への貢献

 本格運用から約半年。今後の展望について髙橋氏は、まだ使えていないマルケトのランディングページ作成機能などの活用に意欲を見せる。「マーケターが一人でできるので、チャレンジしたいですね。あとはWebとの連携も強化して、マルケトから当社Web サイト、そして営業まで一気通貫で流れる仕組みを構築したいと思います」(高橋氏)

 福家氏は「ベストはOne to Oneですが、その前にもう少しセグメンテーションをきちんとやっていきたい」と語る。その背景には、ビズリーチが掲げる「地方創生支援」の考えがある。地方企業のニーズはさらに高まっているが、人材採用における課題や求める人材像は、地域によって大きく異なる。そこで同社では、関東と関西でのコミュニケーションを変えて最適化を図っているが、これをさらに拡大したいというのだ。きめ細かなマーケティングがオンラインで可能になれば、営業担当者が足を運びにくい北海道や沖縄など地方企業の支援もぐっとしやすくなる。

 「余談ですが、求人メディアもマーケティングオートメーションも、売り手と買い手の必要な情報をマッチングさせるという点では、思想が近いと感じています。まずはBtoB事業の中での“勝ちパターン”をつかみ、いずれはBtoC領域でもOne to Oneを目指したいですね」(福家氏)

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

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MarkeZine(マーケジン)
2015/06/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/22556