デザインがキレイに見えるだけのサイトはいらない/体験を伝えるECサイトを構築
そして最も議論を重ねたところは、ピアスキャッチとバックピアスの説明部分だったという。「それっぽくキレイに見せるだけでは、他のジュエリーを販売しているサイトとの比較になってしまいます。私たちは、機能を理解していただいた上でデザインを選んでいただかないといけません」と菊永氏。
「そもそも、クリスメラのピアスキャッチは約4,000円。機能を知らない人にとっては『え?そんなに高価なの?』とびっくりしますよね。そうじゃない。私たちはただピアスキャッチを売っているのではなく、ピアスをなくしてしまうかもしれないという不安から解放し、気兼ねなくピアスを楽しむための体験を売っているのです。そこにさらに、バックピアスがあります。
これらの商品に込められた意図をきちんと伝えていくために、商品ページはもちろん、別途ブログ機能もつけて情報を発信できるようにしました。また、ピアスキャッチについては、目で見た方がわかりやすいこともあり、動画コンテンツも設置しています」(菊永氏)

このような制作過程を経て、去年11月の発注から5か月、今年の4月末にクリスメラのブランディングECサイト『Chrysmela Boutique』がオープンした。その後も、フラクタのコンサルは続いている。
「広告提案も、広告のクリエイティブも、全部まとめてお願いしています。販促とクリエイティブを別の会社にお願いするとややこしいんですよね。販売促進のために広告を出す、でもクリエイティブは別会社でつくった場合、効果が出なかったときに、原因は広告なのかクリエイティブなのか、わかりづらくなる。フラクタさんなら、そこをまとめてお願いできるのと、他社さんのコンサルで培われた知識も活用させていただけるのもメリットです」(菊永氏)
その結果、ユーザーは広告やFacebookなどSNSからの流入が多く、既存顧客だけでなく新規顧客からの売り上げも上がっているという。
「しかし、基本的には卸売であるというスタンスは変えていません。だからこそ『Chrysmela Boutique』では、外部のデザイナーさんがうちのバックピアスを使ってデザインして、他のサイトでも販売しているピアスを紹介させていただいています。でも、『バックピアスはどこで買えますか?』というお問い合わせが多いこともあり、『Chrysmela Boutique』をお店の一つとして案内できるようになったのは良かったですね」(菊永氏)
事業とECサイトの、今後の課題や展望についてたずねたところ、「ピアスキャッチについては、世界中どこのジュエリーショップに行っても、クリスメラのピアスキャッチが売られているようにしたいですね。バックピアスはここ2~3年、ハイブランドの間でも流行りがきていますが、いろんなものに組み合わせられ、ロック機能付きなのはクリスメラのバックピアスだけなので、それが新たなジュエリーのジャンルとして認められるようにしたいです」と菊永氏。
「『Chrysmela Boutique』に関しては、新たな文化を切り開いていく場として、メッセージを伝えるコンテンツをもっと増やしていきたいです。今は私が更新を担当していて、撮影から執筆まで全て一人なので歩みが遅いのですが、いずれは記事を社内で量産する体制を整えるだけでなく、ユーザーの声をひろって伝えていく仕組みをつくっていきたいと考えています。ECは、サイトをつくって終わりではなく、そこから育てていかなければいけません。これからが大事な時期なので、頑張っていきたいですね」(菊永氏)
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東城 ノエル(トウジョウ ノエル)
フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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