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イベントレポート(AD)

大手アパレル企業と@typeの担当者が語る、マーケティングオートメーション導入のポイントと活用の道筋

 消費者を取り巻く情報量が増え続ける今、企業は適切なチャネルとタイミングで、顧客が必要としている情報を届ける必要に迫られている。2015年7月8日、エクスペリアンジャパンは「Marketing Forward 2015~マーケターのための実践的ノウハウと最新事例紹介」と題したイベントにおいて、約100名の参加者へ同社の知見を共有。マーケティングオートメーションツール「CCMP」を導入した@type を運営するキャリアデザインセンターや業界最大手の総合アパレル企業の担当者の生の声から、One to Oneを実現するツール導入のポイント並びに活用の道筋が見えてきた。

One to Oneでなければメッセージが届かない時代、マーケティングオートメーションの活用が不可欠に

 エクスペリアンジャパンは2015年7月8日、「Marketing Forward 2015~マーケターのための実線的ノウハウと最新事例紹介」と題したイベントを開催。同社 代表取締役CEOの有田道生氏による開会の言葉を皮切りに、マーケティングオートメーションが必要とされている理由を紐解くセッションで幕を開けた。

エクスペリアンジャパン株式会社 代表取締役CEO 有田道生氏

 PCで調べ、店頭で買う。あるいはスマホで絞り込み、店頭で確認して、PCで購入……。消費者は今、オンライン・オフラインの区別なく自由自在に企業に接触している。今日の顧客は「いつでも」「どこでも」に「欲しいチャネル」において、“ブランド”体験ができるという環境を当たり前のものとして企業に期待している。

 しかしながら「適切なタイミング・チャネル」も「必要なコンテンツ」も消費者一人ひとりによって異なる。つまり、限りなくOne to Oneに近い顧客体験が求められているのだ。この顧客の期待こそ、昨今多くの企業が「マーケティングオートメーション(以下、MA)」に注目する背景であり最大の理由であるといえる。

 企業が活用しうる膨大な量のデータを適切に処理し、個々のユーザーへアプローチを最適化するには、とても人的な対応では追いつかないであろうことは想像に難くない。施策の自動化が可能なキャンペーンマネジメントシステム(CMS)の活用は、クロスチャネルでマーケティングを検討する企業においてはもはや不可欠になっていると言えよう。

ユーザーの行動データに基づいた施策を自動で展開したい/転職サイト「@type」が目指すタイムリーなアプローチ

 スムーズにマーケティングオートメーションツールを導入するためには「社内連携」や「スモールスタート」など、複数のポイントがある中でも、継続的にPDCAを回して成果を上げるための「パートナーとの協力体制」の重要性は、同社とそのクライアントによるトークセッションから強く感じられた。

(左)株式会社キャリアデザインセンター メディア本部 メディア戦略課 主任 仲田新氏
(右)エクスペリアンジャパン株式会社 クロスチャネルマーケティング部 マネージャー 遠藤光一氏

 ひとつ目の企業事例には、エクスペリアンジャパン クロスチャネルマーケティング部 マネージャーの遠藤光一氏を聞き手に、この5月に同社の「Experian Cross-Channel Marketing Platform」(以下、CCMP)の導入を決定したキャリアデザインセンターから、データ分析・戦略立案などを担う仲田新氏が登壇。転職サイト「@type」などを通して転職支援サービスを展開する同社では、求職者によって接触頻度や深さが異なるだけでなく、時間の経過と共にステータスも変わっていく。転職を希望しているユーザーに対して「“かゆいところに手が届く”、One to Oneの適切なコミュニケーションができていないことが課題となっていた」(仲田氏)という。

 One to Oneマーケティングの実現を目指す中で、ユーザー自身が会員登録時に入力した顧客の属性データに加えて、Web行動データを加味し、アクションに基づいた施策を自動で展開できるマーケティングオートメーションツールの導入を検討していた。かねてから情報収集をしていた仲田氏が、ツール導入の選定基準に挙げたのは次の4つ。予算、機能、実績、そして営業担当だ。

大事なのはツールの導入後、継続的にPDCAを回せるかがカギ

 「具体的にこの4軸(予算、機能、実績、営業担当)でスコア化し、判断しました」と仲田氏。機能面では特に、1社のベンダーで完結するのか、複数社の関与が必要なのかを見極めたという。ワンストップで時間やコストのロスなくマーケティングを実現するため、それが可能なツールを評価した。

 また、営業担当という軸を挙げた経緯について、「実は過去に導入したツールで、結局使いこなせなかったものもある」と仲田氏は振り返る。ベンダー側の営業担当は導入自体が目的化しがちなため導入後のやり取りが不足したことであり、それによってPDCAを回せなかったことが原因だと分析し、この軸を重要視するに至ったという。

国内企業のマーケティングオートメーションツールの導入・活用事例は目新しく、
会場からの質問も白熱しました◎

 CCMPの導入を決定するにあたり、営業担当という軸がどう効いたのかという遠藤氏の問いかけに、仲田氏は「多くのベンダーさんは『我が社のツールなら』と自社を主語にして語ります。でも遠藤さんは『キャリアデザインセンターさんの希望はこうですね』と、当社を主語にして話されていた。今後もパートナーシップを築いて、継続的に成果を上げていくことができると感じました」と応じる。

 今後はCCMPを活用し、まずは「これから転職活動を始めるユーザー」と「会員登録直後のユーザー」の活性化を図っていく。顧客ピラミッドのうち、ちょうど中間層へのアプローチから着手する意向だ。「適切なシナリオに基づいて、ユーザーとの接点を強化していきます。いずれ当社の人材紹介サービスやWebマガジン、リアルイベントなどのサービスとも横断して情報をつなぎ込み、より深いコミュニケーションを図るのが理想です」と仲田氏は抱負を語った。

店舗連携でさらなる売上拡大を狙う、業界最大手の総合アパレルメーカーのECサイト

 2つ目の企業事例には、同社 クロスチャネルマーケティング部 シニアマネージャーの近藤嘉恒氏を聞き手に、ファッション業界を代表する大手総合アパレル企業のEC担当者を迎えた。同社はCCMPの導入を決定し、クロスチャネルマーケティングへ挑んでいくという。

エクスペリアンジャパン株式会社 クロスチャネルマーケティング部 シニアマネージャー 近藤嘉恒氏

 登壇した老舗アパレル企業の公式オンラインストアは、オープン以降右肩上がりで成長しており、2015年も2桁成長を見込んでいる。チャネル別の売上構成はメルマガ経由が最も多く、リピーターに絞るとその比率はさらに高まる。さらなる拡大のため、店舗会員との統合、またEC化率の引き上げが見据えられていた。

 その屋台骨として、同社は今年、ECのシステムや物流、コールセンターまでを一新。プロモーション施策に関しては、マーケティングオートメーションツールの導入が検討された。CCMPを選んだ理由について、「当社が実現したいことがしっかり行えるか。担当者に余計な作業負荷がかからないか。そして、パートナーとして一緒に課題解決に取り組めるかという3点を重視しました」と担当者は語る。

 またクロスチャネルでの成功事例として、メールマガジンのクリエイティブをPCやスマートフォン、タブレットなど、ワンソースでマルチデバイスに対応できるレスポンシブメールデザインに変更したところ、CTRが女性で110%、男性は120%にまで伸長し、手応えがあったことも明かされた。今後の展望として「売上への影響度の高いメルマガでのアプローチの精度を高めながら、店頭の接客力をどうECに活かすかというテーマにも挑戦したい」と意気込みを話した。

ソーシャル連携や動画活用……アメリカンイーグルなど、米国で先行するデジタルチャネル活用プロモーション事例

 今まさに動き出している国内事例を紹介した後、グローバルで事業を展開するエクスペリアンの海外最新事例のレポートに移った。さらに同社 クロスチャネルマーケティング部の文字山武人氏により、具体的なシナリオのアイデアが語られた。欧米、特に米国では、デジタルチャネル活用した顧客へのOne to Oneのアプローチが発展している。例えば米の小売店の90%は、過去の取引データを元に顧客のセグメンテーションを実施しているという(※)。

エクスペリアンジャパン株式会社 クロスチャネルマーケティング部 文字山武人氏

 「アパレルのアメリカンイーグルでは、直近でデニムを購入した顧客のみをセグメントしてメッセージを発信し、SNSへの写真投稿を促して顧客とのエンゲージメントを強化しました。この成功事例のポイントは、正しい顧客セグメンテーションとSNSも含めたクロスチャネルでシナリオを展開できるシステムにあるように見えます。しかし、どんなに高機能なシステムであっても使いこなせなければその性能を発揮できません。

 エクスペリアンではシステムとしてのCCMPの提供だけでなく、コンサルティングサービスも提供しています。これによって、自社にマーケティングオートメーションに関するノウハウが不足していても、運用フェーズでつまずくことなく、臨機応変かつ徹底的なセグメンテーションやソーシャル連携も視野に入れたシナリオマーケティングの実施が可能なります」と文字山氏。

「2015 Cross-Channel Marketing LOOK BOOK(Experian)より抜粋」

 また、動画メールを活用したキャンペーンの実施も進んでおり、米国大手企業などで採用されて成果を上げている。動画を活用したコミュニケーションのアイデアとして、文字山氏は旅行会社のシナリオを提案した。成約してから旅行に出かけ帰国するまでの流れの中で、文字山氏が提案したのは「成約直後」「出発直前」「帰国直後」の3つのタイミングでのアプローチだ。

 例えば成約直後であれば、顧客のテンションが高いのでオプショナルツアーやレストラン予約を獲得しやすい。「ファミリー層なら子供向けイベント、カップルであれば高級レストランの紹介など、それぞれが共感しやすい内容を動画で案内することで、CVR向上が見込めます」と文字山氏は話した。また、出発直前であれば、持ち物や忘れ物のリマインドメールを送ることで顧客満足度が向上するであろうし、成約した旅行プランに基づいて帰国直後にアンケートメールを送れば、顧客の記憶が鮮明なうちにフィードバックを得ることができるであろういうことも提示した。

※出典:Experian Marketing Services, State of cross-channel marketing report, 2015

ユーザーがほしい情報をいかにタイムリーに届けるか/米国の成功事例に学ぶ

 さらに、オンライン・オフラインの区別を超えたクロスチャネル連携も進んでいる。米の調理器具メーカー、サラテーブルは実店舗で商品を購入した顧客に対してその使い方をオンラインで訴求。商品購入を点で終わらせず、よりブランドとの距離が縮まる顧客体験を提供している。

「2015 Cross-Channel Marketing LOOK BOOK(Experian)より抜粋」

 「食材やコスメなど、リアルな購買接点を持つ消費材メーカーなら、顧客に役立つ情報を提供しながらオンライン・オフラインを行き来してもらうことも可能です」と文字山氏。ただし、あくまでそのユーザーが「欲しい」情報をタイムリーに届けることが前提だ。無用なプッシュ通知はブランド離れにつながってしまう。その点で、One to Oneに限りなく近いコミュニケーションを実現できるCCMPには、高い優位性があると言えるだろう。

 CCMPは、例えばECサイトでの“カート放棄”商品の購買促進メールといった、顕在化したニーズの獲得による売上向上から、ここまで紹介したようなクロスチャネルでの複雑なアプローチの自動化までをカバーする。とりわけ、刈り取りが重視されがちなデジタル領域において、精緻なセグメンテーションとシナリオ設計、さらにオフラインとの連携も含めて潜在需要を掘り起こせる点は特筆すべきだ。加えて本イベントで事例先企業から語られたワンストップの展開、継続的に成果を上げる人的サポートもエクスペリアンの大きな強みである。本セミナーの米国最新事例の詳細を紹介した『LOOK BOOK』を参考に、顧客とのより深いコミュニケーションを検討してはいかがだろうか。

米国企業の最新デジタルプロモーション成功事例に学ぶ!

アメリカンイーグルなどの大手米国企業が、エクスペリアンが提供するソリューションを活用してマーケティングオートメーション施策やスマートフォンを活用してクロスチャネルマーケティング施策に挑んだ、プロモーションの成功事例集『Cross-Channel Marketing LOOK BOOK』を無料で提供しています。ぜひこの機会にご活用ください!ダウンロードはこちらから。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/08/20 11:00 https://markezine.jp/article/detail/22814