銀塩写真技術をベースに開発・蓄積した画像処理技術を外部へ提供
富士フイルムの画像処理技術の歴史は長い。「人間の目の順応」を人に変わって再現することをテーマとし、70年以上に渡って培ってきた塩銀写真技術を基盤に、多彩な画像処理技術に取り組んできた。近年一般化したデジタル画像技術についても、他社に先駆けて70年代から積極的に取り組み、開発した技術は光源推定技術や顔検出技術など数限りなく存在する。
こうした画像処理技術について、富士フイルムでは「ImageIntelligence」と名付け、自社のコア技術として位置づけし、写真・印刷・医療を中心とする自社システムへと展開してきた。たとえば、画像から人物の顔を検出し、それに似た顔が写っている写真を検索する「顔画像解析」には、「顔検出技術」「顔特徴量検出技術」「顔類似度算出技術」などの要素技術が使われており、同社のデジカメ「FinePix」に搭載されたり、富士通のPCにバンドルされた「写真整理ツール」などに利用されている。
今後は、こうした画像処理技術を組み合わせ、社内のみならず、特定業界に対して「画像ソリューション」として外部提供することを表明した。その提供開始にあたっては、野中氏は「画像処理にまつわる課題ならば、富士フイルムの技術を組み合わせて活用することによって役に立てるはず」と語り、自信を覗かせた。