画像の検索・比較・体験が可能な「携帯ECサイト向けソリューション」を提案
こうしたソリューションの紹介の後、最もユニークな取り組みとして「アパレルEC業界向け画像ソリューション」が紹介された。
現在、ECサイトでの購買はいまだ順調に伸びているという。しかしながら、ファッション業界のような「見た目」が重要な要素をしめる分野では展開しにくいという声もまだまだ聞かれる。言葉だけの検索では、イメージどおりのものが探しにくい。また、ECサイトでの購買行動は「検索→比較→体験(試着)→購入」といった一方通行ではなく、それらを行きつ戻りつしながら商品選択するものである。
そうした問題に対して、富士フイルムは独自の画像技術をコアに、使い勝手のよいUIと連動した類似画像検索技術などにより、視覚的でリアルに近い購買行動を支援することが可能だという。たとえば、たくさんの商品から検索し、気に入った商品があれば、さらにそれに似た商品を「視覚的条件」から検索することができる。
たとえば、「紫のブラウス」を1点選び、それに似た商品を「色」で検索する。他にも、形などで感覚的な検索が可能となっており、検索結果を画像の一覧で見渡すことができる。その中から、感覚的に気に入ったものを見つけたら、それを「Keep Box」という取り置き箱にドラック&ドロップして登録する。そうして登録しておいたアイテムを、ユーザと似た体型のボディに試着させて比較することができるのだ。こうした購買行動は実際にデモンストレーションが行われ、そのスムーズで視覚的に楽しい動きがアピールされた。
こうした画像処理技術を駆使したソリューションは、リッチコンテンツの拡充やインフラの整備で必要性が高まると予想される。野中氏は「膨大な技術の組み合わせにより、多種多様のソリューションが開発可能である」と述べ、「ますます多くの業界向けに提案を行っていきたい」と展望を語った。