ファンコミュニケーションズにデータ活用のプロが来た理由
ーーまず、自己紹介からお願いします。
太田:トレジャーデータは私を含む3人の日本人がシリコンバレーで作った会社です。メンバーはマウンテンビューに60名、日本に40名、韓国に2名という体制で、グローバルに利用されているクラウド型のデータマネジメントサービス「トレジャーデータサービス」を提供しています。私はFounder&CTOということで、プロダクト・エンジニア・ソリューションアーキテクト・カスタマーサポートを統括しています。
二宮:ファンコミュニケーションズは15年前からやっているアフィリエイト事業の「A8.net」、スマートフォン向けのアドネットワーク「nend」、スマートフォン向けのDSPに近い機能を持つターゲティング・アドプラットフォーム「nex8」など、広告事業をメインに展開しています。その中で私は取締役兼nend事業部長とサービス開発部長として、エンジニア部門を統括しています。
豊澤:私はファンコミュニケーションズに2015年4月に参加しました。それまでは金融業界で金融工学を活用するクオンツファンドマネージャーとして勤めた後、ウェブ業界に転身してロックオンでデータ分析を担当していました。国内最大級の大量データを広告配信に活かせるファンコミュニケーションズの仕事に魅力を感じて、入社することを決めました。
ーーデータ活用のプロである豊澤さんを採用した背景には、ファンコミュニケーションズにおいてデータ活用の必要性があったからなのでしょうか?
二宮:そうですね。1~2年前にDMPなどのアドテクが流行り始めて、クライアントのデータ活用に対するニーズが高まっていることは明らかでした。社内の現場でも「うまく広告配信にデータを活用したい」という声が挙がってきてましたね。しかし、社内にいる多くの開発者はエンジニアがほとんどなので、分析する基盤もなければ人材もいない。そのため2014年からチャレンジはしていたものの、どうしても目先の機能開発が優先されてしまうのが現状でした。そこで、しっかりと組織化してデータ活用に特化した人材をアサインしようという運びになり、豊澤さんにぜひ来ていただこうと。
データ分析のプロも太鼓判を押す、トレジャーデータの魅力とは
ーー豊澤さんはファンコミュニケーションズに入社後、何から取り組みましたか?
豊澤:データの分析基盤の導入から始めました。ただ基盤を導入する場合、専任のエンジニアを採用して環境構築を行うなどの準備が必要で、非常に手間も時間もかかるという課題がありました。その課題感を持ったまま検討を進めていく中で、トレジャーデータのサービスを知りました。
「トレジャーデータサービス」はクラウド型なので、サーバーの調達などの手間もかからず、短期間で始められます。そして実際に使ってみると、高速に数千億~兆単位の大量データを扱えるところも魅力的でした。導入・運用サポートも細かくしていただけるので、そういったサービスにも満足しています。
太田:マーケターの方には、“自分たちだけで導入を完結できる”という点が一番喜んでいただけますね。マーケターがデータを活用したいと考えても、まずIT部門に頼まないといけないケースが多いと思います。しかし、社内のIT部門に依頼すると、何ヶ月もかかるケースがあったりしますよね。その点、「トレジャーデータサービス」は数時間で導入して、すぐに使い始められるので、マーケターとの相性は良いのかなと思います。
豊澤:そうですね。弊社でも、営業サポートのチームが、我々の部署で使っていたプログラムを自分たちで加工して、不正対策の検出などに活用しています。当初、想定していた活用方法ではないのですが、「トレジャる」という造語ができるほど重宝されていますね。
トレジャーデータとファンコミュニケーションズは、
2月9日(火)に共同セミナーを開催します!
両社では、今回のインタビューに関連した内容のセミナーを開催します。ターゲティング広告で高速PDCAを回すためのポイント、またトレジャーデータで実行可能な機械学習ライブラリ「Hivemall」の活用事例やノウハウを解説。広告配信をより効率化したい、またモバイルアプリを提供している方には必見の内容となっています。内容の詳細とお申込はこちらからご確認ください!
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重要なのは、分析したデータを正確に施策に反映すること
ーーファンコミュニケーションズとトレジャーデータが協業でのソリューション提供を始めた理由を教えてください。
太田:「トレジャーデータサービス」には、Webにあるログはもちろん、自動車の車載器から発信されるデータや風力発電のセンサーデータなど、ありとあらゆるデータが秒速100万件のスピードで蓄積されています。中でも、30%ほどがWeb・ソーシャル・モバイル関連のデータを取り扱うクライアントなので、ファンコミュニケーションズの顧客層と親和性が高いというのが、ひとつの理由です。
また、単純にデータを入れて分析するだけでなく、その後の改善につながる施策を考えることが重要だと弊社は考えています。そこで国内有数のモバイルのオーディエンスを持つファンコミュニケーションズと組むことによって、分析のみならず施策の部分までカバーしていきたいと考え、今回の協業に至りました。
豊澤:実際にユーザーとして「トレジャーデータサービス」を使っていく中で、分析基盤としてのポテンシャルの高さに驚いたのが大きな理由ですね。クライアントのデータ活用に対するニーズが高まっているという話がありましたが、データ活用に関するソリューションは用意できていなかったので、弊社のサービスと連携した形で提供したいと考えたのが最初でしたね。
非常にセキュアに高速PDCAが回せるソリューション
ーー今回の協業によって、具体的にどんなソリューションが提供されるようになるのでしょうか?
太田:弊社のデータマネジメントサービスを使って溜めていただいたファースト・パーティー・データ(自社内のデータ)に、ファンコミュニケーションズの保有する行動履歴情報やメディア情報を掛け合わせることで、より効率的な広告配信ができるようになるものです。例えば、ゲーム内のレアアイテムが出るまでアプリのダウンロードを繰り返すようなユーザーを除外した広告配信ができます。このようにユーザーの除外リストを作成し、特定のユーザーには広告配信をしないという制御ができるようになります。
二宮:例えば、今までアプリのマーケティングは、新規ユーザーを獲得するために多くの広告を打つのが主流でした。しかしこれまでに、大量の広告を配信してきた企業では、すでに見込みユーザーを取りきってしまっているケースがほとんどです。そこでインストールしたユーザーに対し、アプリのアクティブ率を上げる、もしくは起動しなくなった休眠ユーザーの掘り起こし、いわゆるリテンションを狙った広告配信を行うフェーズに移る企業が増えています。
弊社のクライアントでもそういったニーズが高まっているものの、KPIを明確にすることが難しく、データの受け渡しも非常にネックになっていました。今回、トレジャーデータとの協業で、トレジャーデータで抽出したデータをCSVなどに出力することなく、弊社のアドネットワークへシームレスにデータの受け渡しができるようになりました。さらにその配信結果のデータをトレジャーデータで蓄積することができる。広告配信に関するPDCAのサイクルを、非常にセキュアな環境で高速に回すことができるという大きなメリットを享受していただけます。
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データの分析から活用を、詳細かつ効率的に
ーーデータの分析から活用までのPDCAサイクルをひとつの環境で完結できるというわけですね。
太田:かつそのPDCAのサイクルを自動化できるというのもポイントですね。CSVを定期的に人の手でアップデートするのではなく、過去データをもとにセグメントを作り、広告配信に反映するという作業を、5分に1回とか15分に1回といったハイペースで自動的に行うことができます。
二宮:そうですね、確実に効率化されると思います。トレジャーデータのデータマネジメントサービスが広まっていくと、誰もがデータの分析環境を手軽に手に入れられるようになるので、先進的に導入を進めている大企業だけでなく、中小規模の企業でもデータ活用を始めることができます。
太田:現状、広告配信を代理店などに依頼する場合、週に1度や月に1度提供されるレポートを見て評価するのが一般的だと思います。しかし今回提供するサービスでは、ローデータとして受け渡しができるため、ID単位の詳細なデータに基づいた広告配信が可能になります。
データ活用は、誰でも簡単にできる時代へ
ーー最後に、今後の展望について教えてください。
太田:様々なデータが増えてくる中で、データの活用基盤やインフラは“みんなが持っていて当たり前”という世界を、弊社のサービスで創っていきたいというのが我々のビジョンです。データをきちんと活用して広告配信すれば、どう考えてもROIはよくなるはずなので、やらない手はないと思います。
現状DMP活用が軌道にのっている企業は多くありません。我々が目標とするデータ基盤を持っていてデータを活用することが当たり前の世界が手に届くところにありながらも、いまだ実現には至っていない。
二宮:我々もデータ分析で得た結果を広告の配信ロジックに活かそうと試行錯誤していますが、やはりそのためにはPDCAのスピードが重要です。今回の協業によって、マーケター自身の力で可能になるデータ活用の幅が広がるところに、大きな意味があると思っています。いかに費用対効果の高い広告を配信するか、自社の豊富な配信実績を持つアドネットワークを活かして、これからも取り組んでいきたいです。
豊澤:アドテクノロジーの業界に移って最初に感じたのが、現場のマーケターの理解度と、ベンダーの提供するテクノロジーに大きな乖離があるということ。ものすごく高度なことができるツールでも、企業のマーケターはそれを理解している時間がない、もしくは利用が難しいケースが多いように思えました。しかし、今回のソリューションは非常にシンプルに高速なPDCAを回して効果を出していけるので、マーケターとベンダーの障壁を取り除くという意味で、非常に良い事例になると期待しています。
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