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帰ってきた、豊澤栄治の「アイドルとデータ分析」

アイドル戦国時代、推せば状況は変わるのか?乃木坂・AKBと卒業の関係をロジスティック回帰分析してみた


ロジスティック回帰で卒業確率を予測する!

 これまでの分析結果から卒業との関連が深そうなのは、「在籍年数」「年齢」「研究生/正規」であることがわかりました。

 10年の歴史を持つAKB48のデータを用いて(モデル推定時に乃木坂46のデータは除く)、ロジスティック回帰モデルを推定、その後AKB48と乃木坂46各メンバーの卒業確率を推定してみましょう。

 まず、AKB48について卒業予測モデルの精度を見てみます。

モデルの予測精度
モデルの予測精度

 現役と予測したのが67名、その中で本当に現役だったのが43名。

 卒業と予測したのが139名、その中で本当に卒業していたのが110名。

 という結果で、正答率は74%でした。

 少し詳しくモデルの中身をみてみましょう(※係数は何れも5%有意水準で有意)。

「在籍年数」「年齢」「研究生/正規」と卒業確率の関係
「在籍年数」「年齢」「研究生/正規」と卒業確率の関係(クリックで拡大します)
  • 【左上】正規メンバーの散布図 →在籍年数が増えると卒業確率は低下
  • 【右上】正規メンバーの散布図 →年齢が増加すると卒業確率は増加
  • 【左下】研究生の散布図 →在籍年数はこれまで2年程度まで
  • 【右下】研究生の散布図 →年齢が増加すると卒業確率は増加

 また、下の二つの散布図からは研究生のままだと卒業確率が非常に高い所で分布していることが示唆されています。

 あくまで他の条件が同一であれば、ということなので一年経って年取ったらそりゃ在籍年数増えるぜ、って話はわかります。在籍年数が同一で年齢が違ったら卒業確率どれだけ変わるんだろ? という観点で見て頂けたら幸いです。

 さて、いよいよ卒業確率の高いと予測された現役メンバーを見ていきましょう!(既に卒業してしまったメンバーは除きます。)

 AKB48卒業確率ランキング上位10名
AKB48卒業確率ランキング上位10名

 上位5名中4名は研究生の方々となっています。これは、過去のデータから研究生から正規メンバーに昇格できれば卒業確率が低下していることが反映された結果です。また、在籍年数が増加すると卒業確率が低下する傾向があるため在籍年数が短いメンバーが上位にランクインしています。推すことで卒業から遠ざけることが可能やもしれません。

 続いてキニナル乃木坂46のメンバーについて……ドンッ!

乃木坂46卒業確率ランキング上位10名
乃木坂46卒業確率ランキング上位10名

 ランキング1位は新内さん、2位が伊藤さん、3位が卒業を発表した深川さんの順番となっていました。乃木坂46の場合、在籍年数は1期生、2期生しか現在は存在していないことと、全メンバーが正規となっているため、年齢の要素が支配的になってしまっているためです。都道府県や地方、選抜経験などなど様々試行錯誤しましたが今回はここまででお許しを。

卒業の先の出口へ

 大変残念ではありますが向こう2~3年以内に乃木坂46の中核メンバー卒業は避けられそうにありません。白石さんも日経エンタメアイドルSpecial2016にて「卒業するなら東京ドームで卒業公演したい。でもそれはまだ先の話」と卒業を意識したコメントを残しています。

 なんて、妄想を膨らませている間に乃木坂46の3期生オーディション計画が発表されました! どうやらAKB48グループの公式ライバルとしての足固めフェーズに入ってきているようです。

 という訳で、まとめ

研究生だったら早期に正規メンバーへの昇格を目指す。
推すと活動限界の延長可能性はあるものの年齢限界の壁は高そう。

 現場からは以上です。

オマケの情報共有

 今回のグラフは、tableauというBIツールのトライアル期間で作成しました。グラフでの表現にはとても便利です。ステマとかアフィリエイトとかじゃないです。ホントに。
 分析はフリーソフトのR使っています。「自分も分析をしてみたい!」と思っていただけた方は拙著『楽しいR』をご覧ください(こっちは宣伝w オンライン書店でも販売しています! 翔泳社Amazon)。今回卒業確率を予測したRでのロジスティック回帰についても書いてますので、ご興味あれば手に取って頂けると有難いです!

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この記事の著者

豊澤 栄治(トヨサワ エイジ)

株式会社ファンコミュニケーションズ サービス開発部 情報科学技術研究所 所長

横浜国立大学経営学部、一橋大学大学院国際企業戦略研究科卒

SPSS Japan、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)、外資系運用会社(Amundi Japan)での経験を活かし、金融の分析ノウハウをマーケティ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/02/26 19:43 https://markezine.jp/article/detail/23969

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