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【出張版】Web行動心理学研究所

「想定ターゲット×ユング心理学の性格タイプ」掲載面に縛られないからできるキャンペーン拡大施策とは?

 1回目の連載では、簡単な行動心理の紹介と、自らが経験として知っている“経験知”と文章化することができる“形式知”について紹介しました。連載第2回となる今回は、“運用型広告主体の今だからできるキャンペーンの拡大施策”について紹介します。

運用型広告主体の今だからできるキャンペーンの拡大施策

 連載第2回となりましたWeb行動心理学研究所 所長の亀谷です。

 パフォーマンス型広告の最適化を行っていく上で、私の中に一つの大きな課題がありました。それは、CPA/CPOをベースにした最適化施策の延長にあるキャンペーンの“規模縮小”です。

 例えば、クリエイティブ、メディアごとにA/Bテストを繰り返し、無駄を切り捨てて、目標に合うものを残していく。という引き算方式でキャンペーンを最適化していくと、その案件はある日、広告的な限界を迎えます。新規獲得におけるCPA/CPOは合っているが、さらに同じ条件でボリュームを拡大するのが難しくなるのです。

 シンプルに売上アップを目指すのであれば、入り口の最適化後はCRMを見直し、既存客のLTVを最適化し、売上を上げていきましょう! というように、一時的に新規顧客獲得から目線をそらせることはできます。ただ、これはあくまで一時しのぎに過ぎません。巡り巡って、最終的には新規顧客獲得という課題に立ち返ります。

 では何故、クリエイティブ、メディアの最適化の結果、規模が縮小する。ということが起きるのでしょうか? その理由は、A/Bテストによる最適化施策が、勝ちクリエイティブに反応するターゲットに絞り込んでいくからです。

ターゲットの拡大をベースに置いた最適化施策を考えてみる

 広告を制作する時には、まず、その商品を購入するターゲットの設定を行うと思います。

 例えば通販化粧品であれば、30歳以上の女性で、乾燥肌で、基礎化粧品に月5,000円以上使える人のような想定ターゲットを設定して、ランディングページと広告を制作し、テストを繰り返して数字の最適化を行います。

 このやり方自体は、ターゲットという軸をしっかりおいて、シンプルにA/Bテストを回せるためメリットが大きいです。ただ一方で、設定したターゲット像を100%として調整していくため、最終的にはさらにその中の採算が合う数%のユーザーにのみ、対象を絞り込んでいく形になります。

 これまでのネット広告の最適化理論は、良い意味で「掲載面」に引っ張られている部分が大きくありました。同じ掲載面に流す前提だからこそターゲットユーザーの傾向が固定化され、A/Bテストの結果がよりダイレクトに反映されるクリエイティブPDCAが可能でした。

 しかし最近のネット広告はネットワーク化が進み、広告配信枠が固定化されていません。そのためA/Bテストを実施した場合、その結果が他社状況、運用方法など様々な要因を受け、通常の枠ものでテストを行った場合よりも汎用性が落ちている気がします(※あくまで個人の実績ベースですが。。。)。

 では、どうすれば良いのでしょうか?

 今、Web行動心理学研究所でテストをすすめているのは、クリックするバナーの種類でユーザーに分類をかけ、その後ユーザーの種類に合わせた施策を行うことで採算を合わせられないか? という試みです。

 30歳以上の女性で、乾燥肌で、月5,000円以上基礎化粧品に使えるといっても、いろいろなタイプの人がいますよね? 今まさに化粧品に悩んでいて商品を探している人。別に悩んでないけど化粧品の情報を見ている人。広告を見て気になったから試してみようかと思った人。などなど。

 今までのやり方だと、想定ターゲットに向けてキャッチコピー・写真などを複数まわしてみて、そのレスから最適化を行うという単純な形で最適化を行ってきました。

 そこから一歩進んで、今、Web行動心理学研究所でテストしているのは、「想定ターゲット」×「ユング心理学の性格タイプ」でクリエイティブを分類しておいて、そのターゲットタイプそれぞれに対して最適化していこう、という試みです。

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この記事の著者

亀谷 誠一郎(カメタニ セイイチロウ)

株式会社はこ 代表取締役社長/Web行動心理学研究所 所長

2006年サイバー・コミュニケーションズ九州支社を立上げ、九州エリア長に就任。“やずや”をはじめ、あらゆる通販会社のネット広告・メディアバ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/05/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24126

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