日経が取り組むアウトストリーム広告とは
倉持:私ども、サイバー・コミュニケーションズでは、メディアに対して広告商品の販売サポート、広告商品の開発などさまざまなサービスを提供しています。今回のイベントを主催するTeadsさんとも業務提携しており、現在はメディアと一緒に記事コンテンツ内で動画広告を挿入できるアウトストリーム広告の商品開発を行っています。本日は、現在アウトストリーム広告を導入している3社の方をお招きし、メディアが考えるアウトストリーム広告について話ができればと思います。
初めに、パネラーの皆様の紹介を兼ねて、3社の動画の取り組みについて聞きたいと思います。まずは菊地様、お願いできますか。
菊地:私は日本経済新聞社(以下、日経)の中で、海外向けの英語媒体『Nikkei Asian Review』を担当しています。これまで“英語ファースト、Webファースト”を軸にコンテンツを拡充して参りました。
動画に関しては、ここ数年でユニークユーザー、PV共にスマートフォンの数字の伸びが顕著になったことが取り組み始める大きなきっかけになったと思います。スマートフォンがメインデバイスとなった場合、これまでの文字で訴求する記事だけでなく、動画で内容の大枠をつかんでもらい、テキストで補足する記事の必要性を感じています。
そして、実際の取り組みに関しては、Teadsさんと2013年10月から直接契約を結び、動画広告の検証を続けています。記事内に動画を挿入できるインリード広告を活用しているのですが、配信条件を自社できちんと理解し、クライアント様や広告会社様に説明することを心がけています。日本では、まだアウトストリーム広告はオーソドックスではない配信方法ですので、まずは理解してもらうことから始めています。
多様なメディアに導入し強固なマネタイズを実現
倉持:続いて土井様にお話し頂きたいと思います。
土井:産経新聞社が2006年にデジタル分野を分社化したことで、現在私が所属している産経デジタルが誕生しました。産経新聞社自体が日本の新聞メディアとしては比較的幅広い媒体を出してきたこともあり、デジタルでも多様なメディアを展開しています。
そして、幅広いメディアを運営しつつ、ユーザーとクライアントのニーズに応えるサイトと広告をめざし改善を続け、動画コンテンツも10年近く提供してきました。ただ、動画でマネタイズする、つまりビジネスに役立つ商品として展開するまでには至っていませんでした。
倉持:その中で、動画広告を伸長できた理由は何でしょうか。
土井:弊社では2015年からTeadsさんのアウトストリーム広告を始め、動画広告枠のラインナップを増やしました。その結果、これまでのテキストと写真に加え、動画広告をうまく組み合わせた表現が可能になり、一気に動画広告でのマネタイズを可能にしました。
弊社の強みは、広いリーチを持っていることだと思っています。全媒体のユニークユーザーは3,500万と、様々な嗜好を持ったユーザーが集まっています。また、媒体の個性を生かすことを重視しており、各サイトのブランド認知とそれぞれの媒体に適した顧客の獲得には、動画広告をはじめとしたリッチアド、ネイティブアドなどを組み合わせることを考えています。