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イベントレポート

スマホシフトは完了した/スマホネイティブ世代を惹きつける動画マーケティング最前線

 2016年5月30日から6月2日にかけて、東京・六本木ミッドタウンにおいて「Advertising Week Asia 2016」が開催された。4日間にわたり様々なセッションが繰り広げられた同イベントから、「スマホネイティブ世代に刺さる動画マーケティング最前線」をレポートする。

スマ―トフォンシフトはすでに完了した

 世界的なマーケティングの祭典「Advertising Week Asia 2016」が、2016年5月30日から6月2日の4日間にわたり、東京・六本木ミッドタウンにて開催された。“熱狂を創り出す”をテーマに掲げた同イベントから、5月31日に行われたセッション「スマホネイティブ世代に刺さる動画マーケティング最前線」を紹介する。C Channel 代表取締役 森川亮氏、Donuts MixChannel 事業責任者 福山誠氏をパネリストに迎え、モデレータはファイブ 代表取締役 CEOの菅野 圭介氏が務めた。

(左)株式会社Donuts MixChannel事業責任者 福山 誠氏
(中央)C Channel株式会社 代表取締役 森川 亮氏
(右)ファイブ株式会社 代表取締役 CEO 菅野 圭介氏

菅野:本セッションのタイトルにもなっている“スマホネイティブ世代”という言葉。少し前まで、“デジタルネイティブ世代”という言葉があったと思いますが、今、消費者のファーストスクリーンはすでにスマートフォンに移っています。総務省が発表したデータによると、日本国内の20代のスマートフォンの所有率は94%に。この数字から、すでにスマートフォンシフトは完了したという事実が認識できると思います。

 スマートフォンシフトは完了したという前提に立った時に、企業はどのように対処し、またマーケターは何をすべきでしょうか。マーケターが向き合っている課題の一つに、スマホネイティブ層へのターゲットリーチ効率が挙げられます。テレビは全体へのリーチ効率は非常に良いのですが、スマホネイティブ層に対するターゲットリーチ効率で考えるとあまりよくないので、私たちはこの問題を解決していきたい。

 スマホネイティブ層にとって、テレビをつけてチャンネルを回す行為は、今やスマートフォンでアプリをタップしてチャンネルを立ち上げる行動に置き換わってきています。その瞬間にブランドはどうやって切り込み、消費者とコミュニケーションをとっていけばいいのか。今日はC Channelの森川さん、MixChannelを運営するDonutsの福山さんのお二人を迎えて、スマホネイティブ世代に刺さる動画コンテンツの作り方、そしてマーケテングの秘訣を伺っていきたいと思います。

福山:弊社は、モバイル動画コミュニティ「MixChannel」を運営しています。MixChannelは、動画を見るメディアとは少し異なります。どちらかというとユーザーが動画を投稿して、共有し合って楽しむ場所というイメージで、いわゆるコミュニティサービスの部類に入ると思っています。

 PC時代から、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画メディアは数多くありましたが、MixChannelはそれらをスマートフォンで再現したようなサービスです。そして多くの動画が共有されていますが、そのほとんどはプロや企業が作成したものではなく、ユーザーが作ったコンテンツです。MixChannelのアプリに、動画を編集する機能があるので、ユーザーは簡単に動画を作ることができ、それをみんなに共有してコミュニケーションし合っています。

菅野:ユーザーは写真や映像に音声をかぶせて、自分で動画を編集しているのでしょうか。

福山:そうですね。ただ撮影するだけじゃなくて、画像や音楽を組み合わせたり。スマートフォンで完結できるように、動画編集ソフトのシンプルな機能がアプリに内蔵されているイメージです。スマートフォンだけで作成したコンテンツがたくさんあります。

 スタートして2年半ほど経ちましたが、アプリのダウンロード数は500万アップロードを突破したところです。月間ユニークユーザーは400万(アプリとWebの合算)、月間動画再生数は5.5億回を超えています。投稿されるコンテンツのカテゴリーとしては、カップルの思い出や女の子が踊ってみるユニークな動画だったり様々なものがありますが、1日に3万件もの動画がユーザーから投稿されており、日々新しい文化がつくられているコミュニティです。

 ユーザー層はまさにスマホネイティブ世代が中心で、ユーザーの85%を10代が占めています。また大きな特徴として、ユーザーの8割が女性です。女子中高生という、いわば新しいマーケットを作っていく層に支持されているサービスです。

菅野:ありがとうございます。では続いて、森川さんからC Channelの紹介をお願いします。

森川:よろしくお願いします。2015年の春に会社を立ち上げ、スマートフォンに特化した女性向け動画を配信するサービス「C Channel」をスタートしました。当初のサービスのコンセプトは、動画のファッション雑誌。「クリッパー」と呼ぶモデルやタレントが、スマートフォンで動画を取って編集して投稿するという、動画のブログ的なアプローチでサービスを開始しました。

 特徴としては、縦長動画を導入しています。スマートフォンが登場してから、ゲームも音楽も縦で楽しむ時代になっているのに、動画だけはまだ横なんですよね。スマートフォン時代には動画も縦長になるとよんでいます。そして現在は自社のコンテンツ制作を強化しています。映像制作スタジオを原宿に構え、そこで毎日動画を自社で作って展開をしています。コンテンツの主なジャンルとしては、メイク、ヘア、料理、ライフスタイルなどですね。

 また、アジアを中心にグローバル戦略を進めています。Tudouという中国最大の動画配信の会社と組んだり、タイや台湾ではFacebookを通してコンテンツを提供し、動画再生回数は順調に伸びています。イメージ的にはアジアのバズフィードと呼ばれるような、そんな規模に一気に成長していきたい。ちょうど今年の3月に月間再生数が1億回を突破し、今月(2016年5月)は約1億2,000万再生という状況です。もともとはYouTubeがとても強かったのですが、今は特にFacebookが成長しており、徐々にシフトしています。全ソーシャルメディアを通じて、月間5,000万人へのリーチを実現しています。

菅野:ソーシャルメディアをうまく活用して、コンテンツのディストリビューションを展開しているのですね。

森川:そうですね。Facebook、Twitter、Instagramと自社メディアを組み合わせています。それぞれのメディアの特性があるので、一つのメディアだけで全てのユーザー層にリーチするのは難しい。だからこそ、F1~F2層全員にリーチをすることを目的に、ソーシャルメディアを活用しています。今後はテレビとC Channelを組み合わせた広告メニューも展開していきたいと考えています。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24537

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