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2017年、加速するVRマーケティング トップランナーに活用の可能性を聞く

定着率が飛躍的にアップ! VRマーケティングのメリットとは

 VRをマーケティングに活用するメリットに関して、神谷氏は次のように語る。

 「VRという体験によって、情報の定着率が飛躍的に上がります。アメリカ国立訓練研究所(National Training Laboratories)のラーニング・ピラミッドでは、学習定着率の変化として、講義だけだと5%、読書だと10%、視聴覚だと20%であるのに対し、自ら体験すると75%まで上がり、その後に他の人にその情報を教えると90%にまで伸びることがわかっています。VRでは体験、さらに体験を人にシェアすることができるため、結果的にキャンペーンの印象が残りやすくなります」(神谷氏)

 また「体験」というと、従来は会場を用意したイベントが主流だった。そのため、例えば都内1カ所でやっていたり、期間限定だったりと、「時間的・空間的な制約」があり、またそのイベントに行くための「心理的・身体的な制約」もあるが、自宅で体験できるVRであればそれら全てが無縁だ。

 VRはイベントなどでの活用はもちろん、360度動画としてFacebookやYouTubeなどにコンテンツをアップロードすることもできるため、様々な接点を創出することが可能だ。これら複数の接点を組み合わせて展開することで、既存マーケティング活動のアップデートも図れる。

 また、神谷氏は「現実では考えられない体験ができる点も大きなメリット」と語る。

 「ライブを例に挙げると、普通は客席からステージを観るところを、VRでは上空から観ることや、ステージ上から表現者の目線で見ることもできます」(神谷氏)

 そうすると、500席しかないコンサート会場でも、VRで参加できる席を別会場に用意して、一般席が5,000円、VR席は1,000円といった価格設定をすれば、新しい収益機会を創出できるのだ。

VRと相性の良い業界とは

 次に、VRの施策を成功させるポイントを神谷氏にたずねたところ、「イベント、ウェブとアプリ、そしてSNSという3種のチャネルを組み合わせて行うことが重要」だと語る。

 「新しいだけでは広告としての価値がありません。話題性だけで終わってしまわないように、生活者に企業の情報をどれだけ好意的に捉えてもらうかまで設計することが重要です。そのためには、今までのマーケティングの考え方で、VRを上手く咀嚼しなければなりません」(神谷氏)

 今VRは、企業からのニーズは急激に高まっているという。具体的に、どういった業界で活用されているのだろうか。

 「特に、車や不動産など、生活者が購入までに時間を要する業界からの引き合いが強いですね。VRで現実に近い体験をしてもらうことで、商品の良さを的確に伝えられるというメリットがあるからです。あとは、音楽や映画などのエンタメ系とも相性が良いですね」(神谷氏)

 その他にも、VRでは物のスケールをリアルに感じることができることから、インテリアやアパレル業界からも注目が集まっているという。

 「自分にとってのサイズ感が、商品選択に必要なものの場合、VRはとても効果的です。例えば、洋服であれば、自分の身長や肩幅などにあっているかを測ることができます。これからは、実店舗に行かずとも、VRで試してみるというケースも出てくると思います」(神谷氏)

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/12/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/25758

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