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イベントレポート

オラクルが「集客・誘導・サービス」をフルAI化 圧倒的なデータ活用で次世代の顧客体験を実現

 米オラクルは、米国時間4月25日(火)~27日(木)にかけて行われた「Oracle Modern Customer Experience 2017」にて、オラクルは同社が提供するCXソリューションに、「Adaptive Intelligent Apps(アダプティブ・インテリジェント・アップス)」を搭載すると発表した。AIAの導入により、カスタマー・エクスペリエンスの向上だけでなく、「マーケティングの質」へも大きな影響を与えるという。今回発表されたAIAについて、同社のプロダクツ・アンド・データサイエンス バイスプレジデントのジャック・バーコビッツ氏のセッションから、その本質に迫りたい。

オラクルが人工知能で実現する、「フルAI」マーケティング

 オラクルではこれまで、「Oracle CX Cloud」という、マーケティング、セールス、コマース、サービス、ソーシャルなどをクラウド形式で運用できるアプリケーション群を提供し、企業の経営を部分的、またはトータルで支援している。今回、新たに導入が発表された「Adaptive Intelligent Apps for CX(アダプティブ・インテリジェント・アップス・フォー・シーエックス、以下、AIA for CX)」は、これらのアプリケーションに人工知能を導入し、各顧客にパーソナライズされた営業活動を可能にするという技術だ。

 アダプティブ・インテリジェントとは、直訳すると「適応する知能」という意味。そのニュアンスの通り、企業活動に特化した機械学習型のAIだ。AIA for CXは、機械学習により顧客データの類似点を認知し、ターゲット顧客の行動や嗜好性をより細かく予測したサービスを行うことで、カスタマー・エクスペリエンスの向上と、顧客対応やマーケティングを支援する。

 米オラクル プロダクツ・アンド・データサイエンス ヴァイスプレジデント ジャック・バーコウィッツ氏
米オラクル プロダクツ・アンド・データサイエンス バイスプレジデント ジャック・バーコビッツ氏

「人工知能は、既に私たちの生活の一部となっています。日々の生活の中、たとえば動画配信サービスのNetflixやパートナーマッチングサイトのイーハーモニーなどのサービスでは既に導入され、皆さんもご存知かと思います。こうしたサービスにおける人工知能の導入は毎日のように行われており、既に私たちにとって、便利で身近な存在になってきています。人工知能を導入したツールは日々増えている中で、プライバシーなどを利用される抵抗感も薄らいでいます。こうしたツールを抵抗感なく使用できている理由は、私たちがこうしたツールに大きな価値を見出しているからであり、その価値こそ、企業にとって顧客との関係性を構築するためのカギとなります。

AIA for CXは、CX Cloud内のアプリケーションすべてに搭載される

 では、顧客との関係性を構築する上で、人工知能はどのように関わってくるでしょうか。今回私たちが紹介するAIA for CXは、コンシューマー・エクスペリエンスやBtoBエクスペリエンスなどに特化したものです。AIA for CXの最も大きな特徴は、顧客に対してシームレスなエクスペリエンスを、各アプリケーションのコンテクスト(文脈)の中で提供することができることです」(バーコビッツ氏、以下同)

 本イベント初日のキーノートセッションでは、カスタマーサポートとAIA for CXが連動し、問い合わせをしてきた顧客の問題を即座に推測し、提案方法のオプションをカスタマーサポートに提供する、といったモデルケースが語られていた。しかしこのケースは、あくまでサービス分野における一例にすぎない。

 CXにおけるAIAの機能は、マーケティング、セールス、コマース、サービスといった各分野において、人工知能のデータ解析によって得られたデータをもとに、よりパーソナライズされたコンテンツをリアルタイムで提供することが本来の姿だ。

「マーケティング分野では、『この顧客に10%割引のオファーをすれば、高い確率で購入してくれる』といった顧客一人ひとりの行動分析に応じたレコメンドやオファーの提供を行ったり、サービス分野では、センター担当者に各顧客と詳細商品の情報を即時に提供したりすることができます。そして、それらのサービスを一元的に運用することが可能となります。ビジネスにおけるデータをすべて連動させることで、あらゆるチャネルでCXを向上させることができるのです」

 つまり、マーケティング、セールス、コマース、サービスといった、企業の営業活動全般において、すべてのチャネルでシームレスに人工知能のデータ活用を利用できるのだという。バーコビッツ氏は、AIA for CXの核心部分について詳しく紹介した。

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この記事の著者

野村 光(編集部)(ノムラ ヒカル)

岩手県出身。ケント大学(英国)卒業。ライフスタイル誌、ガジェット系雑誌などで編集・執筆・カメラを担当した後、KADOKAWAにて語学、ビジネス、自己啓発、翻訳など、書籍編集者として幅広いジャンルの書籍を刊行する。2016年11月より翔泳社へ入社し、Webメディアの編集者となる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/23 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26446

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