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科学的アプローチに基づく映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』のTwitter活用

 人気ゲームを原作にした実写映画シリーズ最終章『バイオハザード:ザ・ファイナル』は初登場No.1、3週連続興行収入No.1を達成した。10代を中心に支持され、公開1週目の鑑賞意欲の調査では、15歳から19歳男性および、20代男性における鑑賞意欲のスコアは他の作品に比べ2倍以上の結果となった。このようなヒットの背景には緻密なデータ分析を基に、リアルイベントや屋外広告などとTwitterを連動させることによって、ターゲットの中で自然で継続的な盛り上がりを形成するための戦術があった。詳しい取り組みを取材した。

3週連続興行収入No.1達成!大ヒット映画のプロモーション施策

 映画『バイオハザード』シリーズといえば、人気ゲームが原作の実写映画。2002年から15年にわたって熱烈な支持を受け続けた作品の6作目にして、最終章となったのが2016年12月に公開された『バイオハザード:ザ・ファイナル』だ。お正月映画市場において、初登場No.1、3週連続興行収入No.1を達成した。

 この結果に至った背景には作品の人気も然ることながら、マーケターのチャレンジなしには語れない。データ分析を基にターゲット層を絞り、彼らに刺さるよう様々な施策を仕掛けた。具体的には、Twitter上でライブ配信が可能なPeriscope(ペリスコープ)やツイートの自動返信、様々なフォーマットのクリエイティブを使ったTwitterのキャンペーンを、リアルイベントでのパブリシティや屋外広告などと連動させ、継続的な話題化を促し、プロモーションを成功へ導いたという。今回、取り組みの詳細を紹介したい。

左から株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 映画 マーケティング部 エグゼクティブディレクター 堀内啓氏、同部 高松悠希氏、GEM Partners 株式会社 シニアディレクター 星野有香氏
左から株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 映画 マーケティング部
エグゼクティブディレクター 堀内啓氏、同部 高松悠希氏
GEM Partners株式会社 シニアディレクター 星野有香氏

 堀内氏は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下、ソニー・ピクチャーズ)にてデジタル、クリエイティブ、メディアバイイングを統括している。高松氏は今作を含めて、同社のデジタルマーケティングのプランニングから実施までを担当している。

 GEM Partnersは、映画に特化したデータ分析および、それに基づくデジタルマーケティング事業を展開する。星野氏は今回、過去作品や競合作品を分析することで得られた知見を基に、マーケティング施策における助言を行った。

お正月映画市場で勝負した理由

 年末年始のいわゆる「お正月映画」は観客動員数が増えるタイミングだ。当然、他社も主力作品を送り出してくる。それでも、『バイオハザード:ザ・ファイナル』の公開は2016年12月23日に設定された。勝負をかけた理由は何か? 堀内氏は次のように語る。

 「映画『バイオハザード』は今回で6作目。トータルで15年続いていますが、過去の動員データを分析すると、どの作品も必ずメインの客層は10代と中高年の男性。常に10代男性の支持を受けている作品ということがわかります。一方で、年末年始に公開されるであろう競合作品シリーズの過去の動員層を調べると、10代の男性をメインターゲットとする作品が非常に少なかった。これは大きな決め手の1つになりました」(堀内氏)

 また、GEM Partners社提供のデータを基に、映画館で映画を鑑賞する本数が年間1~2本程度のライト層が興味関心を持ちやすいというインサイトを掴んだ。上記を踏まえた上で、今回の施策のメインターゲットを10代ライト層に設定した。堀内氏はそのメインターゲットにリーチするための最適なプロモーション施策の基盤として、10代に最も強いメディアであるTwitterを選んだ。

 「もちろん大前提として、10代に対しコミュニケーションを展開するならばTwitterは不可欠と認識していました。より数値としての裏付けをとることができたのが2016年8月に行った最初のプロモーションです。他のメディアに比べてTwitter上での盛り上がりが群を抜いていました。Twitterの拡散性の高さは無視できないと改めて実感しましたね」(星野氏)

 しかし、局所的な話題化だけでは公開日まで作品の鑑賞意欲を維持することが難しい。12月の公開日まで盛り上がりを継続するためには様々な仕掛けが必要だ。

 「媒体特性に沿って、拡散性・季節性・リアルとの連動という軸を選定し、施策を立案しました」と高松氏は語る。では、具体的にどのようなことをしたのだろうか?

次のページ
リアルイベント×Twitterで10代ライト層における話題化を狙う

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2017/06/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/26535

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