成功の秘訣はTwitterのギミック×良質なコンテンツ
今回の施策を提案・サポートしたTwitterの竹嶋氏と木和田氏は、ソニー・ピクチャーズの施策の成功ポイントを“斬新さ・季節性・即時性”の3つだと語る。
第一に、頻繁にリリースされる新しいフォーマットやプロダクトの面白さをいち早く掴み、適切なコンテンツを投下することで、Twitter利用者の目を引き、アテンションを獲得することが出来た。第二に、高松氏も述べていたように、季節性を意識したクリエイティブを用意し世の中のイベント・盛り上がりに寄り添い、利用者に単に広告としてではなく自分事化して受け入れてもらうことに成功した。
第三に、作品の最新情報をTwitter上で最初に公開することで、Twitter利用者のニーズに合ったコミュニケーションを展開することができた。「Twitterの利用者は、情報感度が大変高く、最新の情報を求めてTwitterを見ています。今回もあらゆるリスクを加味した上で、それでも情報の即時性がTwitter上で非常に重要なファクターであることをご理解いただき、プロモトレンドに伴う施策の実施をご決断頂きました。ソニー・ピクチャーズ様が媒体特性を深く理解してくださったからこその成功だと思います」(木和田氏)
竹嶋氏は「斬新さ・季節性・即時性の三点は我々としてもキャンペーン設計におけるポイントであることは常にお伝えしている内容ではあります。しかし、これを実行に移すのはハードルが高いのが正直なところです。今回の提案もクライアントさまのご理解なしには実現できないものでしたが、一緒に取り組んでいただけたことに深く感謝しております」と述べた。
今回の取り組みを、堀内氏と高松氏は次のように振り返る。
「今回のマーケティング戦略において、まずデータに裏打ちされたインサイトを基にターゲット層を導き出し、作品にとって最もマーケタビリティが高い時期に映画公開日を定めることが重要でした。その上で、ターゲットに則したビークルで最も適したマーケティングコミュニケーションを展開しました。
たとえば、バイオハザードのような大作では、屋外広告を全国の様々なエリアで展開するプロモーションは定石の1つです。しかし今回の例では、敢えて都心に集中した屋外広告展開を行いました。オンライン上で拡散するよう綿密に設計したクリエイティブを一箇所に集中して展開することで、Twitter上での拡散がより大きくなり、全国的にも高い広告効果が得られると考えたためです。
8月11日には同じく10~20代男性を重要なターゲットに捉えた『スパイダーマン:ホームカミング』が公開されます。そのプロモーションにも今回の施策の成果を活かしつつ、さらに新しい施策にチャレンジしていきたいと考えています」(堀内氏)
「デジタル上の広告施策を考える上で重要なのは、広告のギミックのみに頼って考えてはいけないということです。Twitterでは新しい広告商品やフォーマットがどんどん出てきますが、たとえばギミックそのものがどんなに面白くても、ただそれを利用するだけでは効果的な施策は生まれません。
利用者にとって価値のある情報と、それを届ける最適な広告フォーマットが組み合わさることで、初めて高い相乗効果が生まれると考えています。利用者にとって価値のある情報でなければ、どんな広告フォーマットを使っても高い効果は得られません。次に担当する映画『スパイダーマン:ホームカミング』もおいても10代は貴重なターゲットですので、Twitterの媒体特性を活かした施策にはさらに力を入れていきます」(高松氏)
8月公開のスパイダーマンではどのようなプロモーション施策が展開されるのか。ソニー・ピクチャーズ✕Twitterの次なる一手にも引き続き注目していきたい。