なぜユーザー投稿が重要なのか
さて、ここからは今回のテーマであるユーザー投稿について深掘りしていきましょう。「Instagramを始めるならフォロワー数をどこまで増やせるのかを考えなくては」と悩む担当者の方は多いのではないでしょうか? 確かにフォロワーを集めれば、ユーザーに対し定期的に情報を配信することができます。
しかし、Instagramで法人がフォロワーを集めるということは簡単ではありません。なぜかというと、前述の通りユーザーは企業の一方的な情報ではなく、一般ユーザーの情報にシンパシーを感じているため、企業からの押し売り的な投稿は敬遠する傾向にあるからです。
また、情報拡散という点で見てもフォロワーを集めるだけでは限界があります。InstagramはFacebookのシェアやTwitterのリツイートのような投稿の拡散機能がありません。情報の拡散性という面でも企業アカウントが自身の投稿で届けられる情報はフォロワー数と等しくなりやすいのです。
では、フォロワーではなくユーザー投稿を増やすとどうなるのでしょうか。発信者が増える分、多くのフォロワーに情報を届けられるようになります。また、情報の届け方もユーザーによって変わり、様々な角度から魅力を語ってくれます。

さらに、最近では口コミをチェックする感覚でブランド名などのハッシュタグ検索をするユーザーも増えてきてます。そうなった際に検索してみて10件の投稿しかないのか、1,000件以上の投稿があるのかによってユーザーに与える印象はまったく変わってくるでしょう。
特に単一商品のブランドを抱える企業はアカウント運用を始めてもなかなかフォロワーが増えずに悩んでいる方もいるかもしれません。そういった方は、フォロワー数だけでなく自社ブランドについての投稿数がどのくらいあるのかをInstagram活用の指標としてチェックすることをお勧めします。
ユーザー投稿の影響力について
次にユーザー投稿の影響力について考えたいと思います。これを図る上で見るべき指標は、定量面と定性面の2軸があります。定量面に関しては投稿数、投稿者のフォロワー数、投稿に対してのエンゲージメント(いいね数とコメント数)があります。

Instagramは楽しい、おいしい、かわいい、美しいなどポジティブな感動体験を投稿するユーザーが多いです。そこで投稿数を見ることで、どのくらいの方々が自分たちの商品について感動し情報を発信してくれたのかを見ることができます。
また、投稿したコンテンツは投稿者のフォロワーたちのフィードにも流れてきます。つまり、すべての投稿者のフォロワー合計値は投稿を通じて認知させられた数の最大値ともいます。一方で、投稿を視認していいねやコメントを付けてくれているユーザーの総数は投稿を通じて認知させられた数の最小値となります。
さらに、定性面での影響力はコメントの内容で確認できます。Instagramへの投稿時にユーザーが付けた感想を見ることで購入者や体験者がどのような感動体験をしたのかがわかります。さらに、その投稿に対してフォロワーが「おいしそう!」「かわいい!」「行ってみたい!」などポジティブな反応をするケースも多々あります。そのような反応を見ていくことでユーザー投稿の定性的な影響力を見ることができるのです。