ユーザー投稿、どうすれば増える?
こんにちは。テテマーチの松重です。本連載最後の4回目となる今回は、Instagramのユーザー投稿をいかに促進させるか?その促進施策についてご紹介したいと思います。
本連載ではこれまで、一般的な法人アカウントが注力するフォロワー数の増加についてではなく、消費者からのユーザー投稿の重要性に触れてきました。民間企業の商品だけでなく、地方自治体の観光地までInstagramの投稿から火が付き盛り上がっている事例をご紹介してきましたが、連載を締めくくる今回はいかにユーザー投稿を促すかという戦略について考えていきたいと思います。
ユーザー投稿促進を仕掛ける?企業が取り組むべき施策とは
これまでの連載では、第2回にInstagramで多くの投稿を集める話題の商品について、第3回は観光集客につながる話題のスポットについて解説してきました。ご紹介してきた事例の中には法人側の戦略ではなく偶発的に話題になったものも多くありますが、最近ではユーザー投稿の促進を狙う法人の様々な戦略も増えています。
企業が情報を一方的に発信する4マス媒体の時代から個人も気軽に情報を発信できるインターネット時代を経て、現在は消費者が多くの情報を発信できるSNS時代に移り変わろうとしています。法人は、自己表現の最適化および最大化ではなく、いかに体験してくれた消費者からの第3者評価を最適化および最大化するかというところに視点をおいて、ユーザーを味方につけるプロモーション戦略を打つ必要があります。
そしてSNSの中でも、Instagramが持つ消費者に与える影響力はこの1、2年で急激に伸びています。その中で消費者に自社のことを投稿してもらうには、ユーザーが発信したくなる環境をきちんと用意すべきなのです。
商品デザイン戦略で投稿促進
ここから、どのようにすればユーザーは投稿してくれるようになるのか、いくつか戦略を紹介していきたいと思います。
まずご紹介する投稿促進戦略は商品デザイン戦略です。これは、その名の通り商品自体をフォトジェニックなデザインにする戦略です。昨今は多くのメーカーがSNS映えを狙ったパッケージデザインを展開していますが、いくつか実際にInstagramでの投稿が伸びているデザインについてご紹介いたします。まずは、カイリジュメイ(kailijumei)というコスメです。
中国で人気が沸騰したカイリジュメイの「フラワーリップスティック」は、リップスティックの中に花が閉じ込められているデザインが可愛いと日本国内では未販売でしたが、Instagramの人気を踏まえラフォーレ原宿で2016年秋に限定販売されました。また、メイクアップレボリューションというロンドン発のコスメブランドもハート型のハイライト「ユニコーンハイライト」がInstagramで話題になり売り切れ続出となっていました。
コスメ以外にも、明治が販売する「ザ チョコレートシリーズ」は、従来の明治のチョコレートよりも高単価にも関わらずその世界観やパッケージデザインから多くの支持を集めています。Instagram上には商品の写真だけではなく、商品のパッケージにイラストを書いた投稿や、パッケージをリメイクした作品などが多数上げられています。
その他、最近はデザイナーとの限定コラボデザインなどパッケージデザインに注力し、Instagram映えを狙った商品が増えきています。消費者も商品の購入選択の際に、消費財であってもコストや機能性だけでなく商品のデザイン性も見るようになってきていると感じます。