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デジタルトレンドレポート

【調査】フェイスブックの強さ目立つ 東南アジア各国のネット広告市場トレンド


東南アジアはソーシャルメディア大国、Facebookが圧倒的

 次に東南アジア市場の特徴を挙げる。

ソーシャルメディアへの依存度が大

 東南アジアのネットユーザーは、極めてソーシャルメディアの利用率が高く、またその利用時間は世界でも最高水準であると言われている。

ソーシャルメディア普及率。母数はネットユーザー数。月に1回以上ソーシャルメディアを利用するユーザーが対象/参照:eMarketer 2015年11月発表
ソーシャルメディア普及率。母数はネットユーザー数
月に1回以上ソーシャルメディアを利用するユーザーが対象/参照:eMarketer 2015年11月発表
1日当たりのソーシャルメディア平均接続時間 2015年1─3月(単位:時間/1日)/参照:We Are Social
1日当たりのソーシャルメディア平均接続時間 2015年1─3月(単位:時間/1日)/参照:We Are Social

 またどの国でも例外なくFacebookが浸透しており、ユーザーの日常生活におけるFacebookへの依存度合いは極めて高い。このため、ネット広告市場におけるFacebookのシェアも日本や米国などと比べ高い状況にある。

 ベトナムの広告プラットフォーム事業者ANTS社による推計によると、2015年のベトナムネット広告市場におけるFacebookの市場シェアは全体の41%を占めており、Googleのシェア(30%)を大きく上回っている。

 他の国も含めてすべての国でFacebookのシェアがGoogleを上回っているということはないだろうが、そのシェアは拮抗しており、少なくとも日本における状況とは大きく異なっている。

マスメディアからデジタルへの予算シフト

 東南アジア各国では、テレビ、新聞・雑誌などの伝統的なマスメディアの影響力が依然として大きく、引き続き高いシェアを持つ。

 先述のeMarketerの推計によると、2016年時点の広告費支出全体に占めるネット広告比率は16.3%にとどまっている。これは裏返すと将来的にはマスメディアからネット広告への予算シフトの期待値が高いということであり、そこにネット広告市場の成長余地が残されている。eMarketerによると、2020年のネット広告比率は24.1%にまで高まる。

海外サービスの高い浸透

 東南アジアは、海外サービスの受け入れ度が高く、検索やソーシャルメディアをはじめ、海外サービスの浸透度合いが高い市場構成となっている。この点は地域独自のサービスシェアが高い東アジア、ロシアなどとは異なる。

 特に英語圏に属するシンガポールやフィリピンにおいては、欧米の事業者にとり言語障壁が低いことから参入が早く、さながら欧米サービス市場の縮図のようである。もっともこれは裏を返せば東南アジア地域において、グローバル企業に対抗できうる競争力のあるローカルサービスが多くないということの裏返しとも言える。

 もちろん国により多少の相違はあるものの、GoogleやFacebookをはじめとするグローバルサービスは各国市場において大きなシェアを占めている。ネット広告市場においては、欧米系のみならず中国や韓国の事業者も、広告会社、メディアなどの業態から参入を進めている。

 そして、日本のネット広告事業者もまた多くが目を向けている。シンガポールに東南アジア進出への足掛かりとなる拠点を置き、そこから各国に進出するケースが顕著に見られる。

 たとえばベトナムを一例に挙げると、元々はオフショア拠点という目的で日本のネット広告事業者の進出が進んでいたが、近年は営業拠点としての進出の傾向がある。これはベトナムが魅力的な市場として映っていることの証左だろう。

 今回は「東南アジア地域」というくくりで全体的な動向を俯瞰した。各国それぞれには特徴があり、当然ながら業界構造も異なっている。機を改めて、日本のネット広告事業者の進出状況や、国ごとの特徴や動向について報告をしたい。

デジタルインファクトでは、東南アジアのネット広告市場を継続的に調査し、その結果を調査レポートとして発刊している。詳細はこちらへ

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この記事の著者

野下 智之(ノシタ トモユキ)

株式会社デジタルインファクト 代表
ExchangeWire.jp 編集長

1983年設立の市場踏査会社、株式会社シード・プランニングの独立プロジェクトとして、2014年10月にデジタルインファクト(Digital InFact)を設立、2016年4月に法人化。

デジタル領域を対象とする市場・サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/18 22:50 https://markezine.jp/article/detail/26737

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