規模は日本の約4分の1、東南アジアのネット広告市場
米eMarketerによると、2017年の東南アジア主要6か国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン)のネット広告市場規模は、20億7,000万ドル、日本円で約2,318億円規模であり、2020年にはおよそ1.4倍、29億7,000万ドル、日本円で約3,326億円規模に達すると予測している。
日本のネット広告市場と比較した場合、約4分の1であるが、今後の成長性を見据えて、世界中の事業者がこの地域を注視している。
人口増加、ネット利用時間の長さ、EC市場の拡大
東南アジアのネット広告の成長性の高さは、具体的にどのような点から裏付けられるのだろうか。注目すべきポイントとしては、人口増加、ネット利用時間の長さ、EC市場の拡大の3点が挙げられる。それぞれ見ていこう。
人口増加
若年層を中心に人口が増加し、今後も人口増が続いていくと予想されている。この点は、該当地域の今後の潜在性を最も担保している点である。
ネット利用時間
東南アジア各国ユーザーのネット接続時間は、非常に高いと言われている。主要6か国のPC、モバイルの1日当たりインタ-ネット平均接続時間は、いずれの国も日本を大きく上回っている。
読者の皆様もお察しの通り、ネット接続における東南アジア地域の特徴は、モバイルデバイスからの接続が中心となる。日本や欧米諸国においてはモバイルにおけるネット利用の普及はPC時代を経て進んだが、東南アジア各国においてはスマートフォンの普及がPC利用を経ずに進んだ。
各国とも都市部を中心に、スマートフォンが急速な普及を遂げており、このことが東南アジアネット広告市場のモバイルファーストな成長を大きく後押ししている。
EC市場の拡大
忘れてはいけないのは、ECの普及・拡大である。Amazonや、Rocket Internet Groupに端を発する、LAZADAやZALORA、そして各国独自のローカルEC企業がサービスを急成長させており、これら企業による大きなプロモーション需要がネット広告市場を牽引している。
だがその普及は途上にある。東南アジア各国では、シンガポールや各国主要都市を除き、決済・物流環境がまだ整備されきれておらず、その伸び白は大きい。
物流については、2万もの島で構成されているインドネシアに象徴されるように、まだまだ課題が多いとされており、インフラ整備には少し時間を要するであろうという現地関係者の声も聞かれる。
デジタルインファクトでは、東南アジアのネット広告市場を継続的に調査し、その結果を調査レポートとして発刊している。詳細はこちらへ