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フェリシモとサイバーエージェントが築いた、成果を出し続けるCriteoの運用体制に迫る

 ユーザーの閲覧履歴などをもとに、ダイナミックリターゲティング広告を配信するCriteo。神戸に本社を構えるフェリシモも、Criteoを導入してから継続的に成果を上げている。デジタルマーケティングを担当するフェリシモの西本氏、広告代理店としてサポートするサイバーエージェントの川口氏、澤田氏、そしてCriteoの鍛治氏の4名に、3社がいかに連携して成果につなげたかを伺った。

フェリシモ、サイバーエージェント、Criteoの布陣で成果を上げる

MarkeZine編集部(以下、MZ):フェリシモCriteoを導入されて5年弱。継続して効果を上げていると伺っています。本日は、広告代理店としてサポートするサイバーエージェントCriteoの皆さまにも同席いただき、Criteo運用の成功について伺います。まずは、自己紹介からお願いいたします。

4名写真
左から、株式会社フェリシモ WEBプロモーション/CRMグループ グループリーダー 西本宗平氏
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
西日本第1本部 アカウントプランナー 川口直哉氏
同事業本部 メディアソリューション局 DSPグループ シニアコンサルタント 澤田陽介氏
CRITEO株式会社 Specialist,Account Strategy,West Sales 鍛治孝之氏

西本:フェリシモの西本宗平です。ネット広告全般と、CRMを担当しています。

川口:サイバーエージェントの川口直哉です。現在、大阪支社のアカウントエグゼクティブとして、主に関西に本社を置くアパレル企業やEC企業様を担当し、ダイレクトレスポンスを目的とした広告施策などの提案をしています。

澤田:サイバーエージェントの澤田陽介です。私は川口とは違い東京本社に在籍してまして、DSPのシニアコンサルタントとして、月に1度フェリシモさんとの打ち合わせに参加しています。Criteo運用において最適な配信設計を組み、運用に落とし込むフローの構築などお手伝いしています。

鍛治Criteoの鍛治孝之です。大阪支社で主に西日本の大手クライアント様の運用を担当しています。サイバーエージェントさんをはじめとした広告代理店様と協力して、タグ・フィード・バナー・キャンペーン構成などを中心とした設計周りのご相談に乗っています。

 その他にもタグマネジメントツールを使用したより複雑な設定のサポート、TVCMなど他広告とリターゲティング広告の相関性の分析やバーティカルトレンド分析などより高度な分析を通してクライアント様のサポートを行っております。

フェリシモが新規顧客獲得にこだわる理由

MZ:Criteoが認定するスター代理店の中で、サイバーエージェントは高い販売実績と運用を行う代理店として4期連続・最高のファイブスターに選ばれていますよね。

西本:前代理店さんの時からCriteoのパフォーマンスは良かったのですが、サイバーエージェントにCriteoの運用をお任せするという時に、「ぜひ澤田さんを担当に」と指名させていただいたんです。やはり、詳しい方がいらっしゃることは安心感がありますし、当社の課題に対して、適切に対応してくれそうだと期待していました。

澤田:身に余るお言葉です、ありがとうございます。そう言って頂けることはコンサル冥利に尽きるところではありますが、弊社は「CA DataFeed Manager」をはじめタグ・フィードに関わる独自ツールや専門組織を立て、ダイナミックアドに特化した体制を整えておりまして、その総合的な体制としてご期待いただけたのかなと思っております。

MZ:では、フェリシモのデジタルマーケティングの方針について伺えますでしょうか。

西本:ネット広告におけるKPIには、新規顧客の獲得件数を置いています。ROIやCPAを基準値内に抑えながら、いかに多くの件数を獲得するかを考えますね。

 例えば、100件の獲得があれば完全新規は30件から40件をキープするようにしています。SNSやLINEなども含め、ネット広告と呼ばれるものはほぼほぼ行っていて、新規顧客が取れる媒体に対し予算を多く割り当てています。

MZ:LTV(生涯顧客価値)をKPIに置く企業も昨今多くなりましたが、新規顧客を軸とする理由はなぜでしょうか?

西本:当社のビジネスモデルが、通常のECに比べると特殊だからです。主要販売スタイルである「フェリシモ定期便」は、月1回のサイクルでお客さまからご注文をいただき、商品のお届けをするという継続性の高い仕組みになっています。

 そのため、比較的長い期間お付き合いが続くことから、必然的にLTVも高くなってきます。もちろん継続率の維持については、CRMの領域で施策を立てていますね。広告はお客様との最初の接点と考え、新規顧客の獲得を目的としています。

互いに成長しあえるプロダクト力を評価

MZ:続いて、Criteo導入のきっかけをお伺いしたいと思います。

西本:導入については、ダイナミックリターゲティング広告登場時のインパクトが大きかったからですかね。見ていた商品がサイトを離れても広告で表示されると、お客様として反応しやすい。中でもCriteoはフランスから黒船が来るぞと話題になっていたので(笑)、「効果があるはず」とすぐに導入し、予想通り良い結果を出し続けています。

MZ:Criteoを導入して良かった点はどこですか。

西本:プロダクトとしてパフォーマンスを上げるための成長を続けている点が良いですね。機能のバージョンアップが頻繁にありますし、それに合わせて私たち広告主側も考え対応していかなければなりません。もちろん対応した分、成果につながる。互いに成長しあえる、いいプロダクトだなと感じています。

鍛治Criteoはリリース以降、クリック・コンバージョン・売上の最適化に注力してきました。最近では、クライアント様のニーズに合わせて、利益額最大化や、販売コスト(ROI)、CPAの自動最適化などのエンジンも選択可能です。

 また、クリエイティブも1impごとに最適化され、数億パターンの見え方のオプションの中からバナーがリアルタイムで自動生成され、閲覧しているユーザーにとって1番効果の高い広告を配信できるよう日々進化しています。

 世界中からデイリー600TBのデータを分析し、エンジンは日々アップデートされています。またクライアント様のサイト上やパブリッシャー上でのユーザー行動を1万以上の変数に分解してアルゴリズムで計算し、クライアント様ごとに正確な予測モデルを構築しております。

広告を出す意義を広告代理店と一緒に考える

MZ:サイバーエージェントから見て、フェリシモが効果を出せている理由はどこにありますか。

川口:Criteoは、タグの設置、データフィードおよびクリエイティブの用意から、キャンペーン予算の設定を行えば、エンジンが自動で配信の最適化をしてくれます。その中でフェリシモさんの効果が継続的に高い背景には、西本さん自身がCriteoの仕組みを学び、さらに成果を出そう・効率的に運用しようと積極的に協力いただいている点があると思います。

MZ:広告主としてCriteoを良く理解した上で、代理店と協力して運用するということですね。

川口:広告主と代理店の関係も様々な形があると思いますが、西本さんは広告をやる意義というところから私たちも巻き込んで進められます。例えば「他の媒体で獲得できるユーザーに対し、この広告を当てることは意義があるのだろうか?」というように、デジタル以外の施策も踏まえ、各媒体の立ち位置を考えた運用を行っています。

澤田:広告の価値・ゴールを一緒に作りましょうという視点から話をしてもらえるのが、我々としても嬉しいです。例えば、フェリシモ社内で決められたKPIとは別に、西本さんがハンドリングしている中での指標で価値を判断される場合もある。獲得だけでなくブランディングまで視野を広げてご提案をする必要がありますし、私どもとして挑戦しがいがあり楽しい部分です。

川口:フェリシモとCriteoの取り組み含め、西本さんが実現したい世界観を汲み取りマーケティング施策に反映できるか。その手法を、弊社で作り上げるという支援を行っています。

サイバーエージェントの協力で生まれた成果は?

MZ:実際にサイバーエージェントと取り組みを始めてから、効果に伸びは見られましたか。

西本:無駄を省いて新規顧客が獲得できている媒体へ予算を再配分する方針で行っていった結果、弊社が基準としていたCPAより良い時は2割程度下がっていますね。紛れもなくこれはサイバーエージェントさんの力だと思います。

 広告主として、いろいろと無理をお願いしてしまうことはあります。ただ、サイバーエージェントのお2人が丁寧かつスピーディーに対応してくださるので、お任せできます。

MZ:西本さんからお褒めの言葉を頂きましたが、いかがですか。

澤田:現在、我々はCriteoへ渡すデータフィードの作成と管理もお手伝いしています。Criteoの構成要素で重要なデータフィードとタグに関する部分をお任せいただいており、少し信頼いただけているのかなと思っていたので、さらにお褒めの言葉を頂けて光栄です。

川口:弊社が提供するデータフィードのマネジメントツール「CA DataFeed Manager」は、データの加工だけではなく、まだフィードに加えていないデータの活用方法を提案するソリューションを持っています。データフィードはCriteo運用のすべてというくらい重要な、構成要素のひとつです。どのようなデータを埋め、反映させていくかという視点が大切になります。

西本:やはりサイバーエージェントさんは、Criteoに詳しいですよね。弊社としてこのようにしたいという意図に対し、そのまま対応するだけでなく、新しい切り口での意見や提案をくれます。Criteoのロジックを把握されているからでしょうし、頼もしい限りです。

獲得にとどまらない施策を展開

MZ:フェリシモ、サイバーエージェント双方でCriteoのことを学び、最大限の成果が出せるようチャレンジしていることが伺えました。では最後にCriteo運用の今後の展開について、お聞かせください。

西本:Criteo含めたアドテクノロジーの進化は素晴らしいのですが、「獲得」に集中したものが多いのが現状です。個人的には認知や興味喚起でもネット広告を活用したいです。広告本来の役割である、まだ見ぬお客様へサービスや商品を伝えるというところを改めて考えたいなと思います。その部分までCriteoがカバーできるよう、プロダクトとして成長していくことを期待しています。

鍛治その点は弊社も対応を進めております。例えば、ユニバーサルマッチというテクノロジーでは、暗号化されたユーザーのEメール情報をキーとして、ユーザーをPC・モバイル・タブレットなど複数デバイスをまたいで紐付けていくことができます。

 そのため、ユーザー行動が極度に細分化・複雑化した現在の世界であってもユーザー単位で最適化をかけることができ、これまでのクッキー単位の最適化では成し得なかった高いよりパフォーマンスと様々なサービスをご提供することが可能になりました。この延長線上に今後認知や興味を促すような拡張配信を予定しています。

澤田:私は今後もパートナーとして、西本さんが描く世界を実現する広告配信を行っていきたいと思います。

川口:ダイレクトレスポンスを目的としたお客様の多くが、「新規のお客様に出会いたい」という要望をお持ちです。そうなると、西本さん同様、いかに認知・興味喚起につながることができるかを考える必要があります。Criteoを活用し、どのようなスキームが組めるのか、今後も西本さんと一緒に他のマーケターの皆さんに自慢できるような事例を作りたいと思います。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/14 11:06 https://markezine.jp/article/detail/26933