モバイルアプリのマーケティングプラットフォームを提供しているAppLiftは、世界的なアドフラウドの分布データについてのレポートを公開した。アドフラウドが最も多いアプリのカテゴリーは、ニュースおよびエンターテイメント分野であることがわかった。
本調査は、AppLiftのプログラマティックプラットフォームである「DataLift 360」における200ヶ国でのキャンペーンを対象に12週間にわたって行われた。レポートの調査結果は下記の通り。
RTBに関する不正インプレッションの割合が最も大きかった国は、インドとインドネシアであり、それぞれ31.29%と21.23%に及ぶことがわかった。また、エンターテイメントアプリとニュースアプリは不正なトラフィックが最も多いことが判明した。
【最も不正行為が多いアプリのカテゴリー】
- エンターテイメント:22%
- ニュース:22%
- 教育:21%
【最も不正行為が少ないアプリのカテゴリー】
- 子育て:2%
- ショッピング:3%
- 旅行:7%
アドフラウドの発生タイミングは「クリック」「インストール」と「ポストインストール(インストール後のアプリ実行時)」の各フェーズであり、高度化が進んでいる。中でも、モバイル広告業界にとって最も損害の大きいアドフラウドは、広告スタッキング、クリックインジェクション、およびクリックスタッフィングだとされている。
広告スタッキング
広告スタッキングとは、ユーザーが広告をクリックした際、当該アプリのアプリページに遷移する間にユーザーの目に触れない多数のバナーをクリックさせることで、 そのデバイスに他アプリのアトリビューションをタグ付けするもの。
クリックインジェクション
クリックインジェクションとは、便利なアプリにみせかけた悪意のあるソフトウェアをインストールさせ、デバイス活動をモニタリングした上で、ユーザーが新しいアプリをダウンロード・インストールするタイミングを検知して、当該デバイスから新たなクリックを注入(インジェクション)するもの。アプリが起動されると、その情報もフラウド設置者にアトリビュートされてしまう。
クリックスタッフィング
クリックスタッフィングとは、デバイスのバックグラウンドでユーザーが気が付かないうちにアプリ内広告でのクリックを生成してデバイスにタグを詰め込む(スタッフィングする)もの。ユーザーがアプリをオーガニックダウンロードすると、フラウドによるタグ付けに基づいて悪意あるメディアソースへのアトリビュートが発生する。
AppLiftのCEO兼共同創業者であるティム・コスチェラは、「アドフラウドの増加は広告業界の健全性を脅かすだけでなく、広告主にとって大きなコスト増になります」と語っている。
【関連記事】
・モバイル効果計測ツールの「TUNE Marketing Console」がアドフラウド対策機能を実装
・GMO SSPがBlack Heronと連携 ドメイン偽装やアドインジェクションなど広告不正に対応
・ログリー、アドフラウドやアドベリフィケーションへの取り組みを強化
・Phybbit、AIを活用したアドフラウド対策サービス「SpiderAF」リリース
・インティメート・マージャー、インテグラル・アド・サイエンスと提携 アドフラウド対策強化