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イベントレポート

少子高齢化も追い風!?Omiai、with、Poiboyら恋の嵐起こすマッチングアプリのグロース戦略


 本稿ではモバイルアプリ向けの成長支援ツールを提供しているRepro株式会社が主催している「Growth Hack Talks」第5回「マッチングアプリのグロース特集」の様子をレポート。今後さらなる市場拡大が見込まれる恋愛マッチングアプリ業界のプレイヤーたちが、最新の知見を披露し合った。

グロースハックの情報はネットにないのでイベントでシェアしたい

 開会のあいさつとしてはじめにReproの平田祐介CEOは、「これまでアプリマーケティングの発展をけん引してきたのはゲームアプリだが、今後は今回のマッチングのようなノンゲームのアプリからも最先端のアプリマーケティングの手法が出てくるだろう。このイベントをそういう場にしたい」と表明。

 Reproはアプリの運用ノウハウをシェアし合うイベント「Growth Hack Talks」を定期的に開催している。アプリマーケティングについての情報はGoogleで検索してもなかなかヒットしない状況なので、リアルなイベントを通じて業界のレベルを共に高めていきたいと平田氏は狙いを語った。

Repro株式会社 CEO 平田祐介氏
Repro株式会社 CEO 平田祐介氏

 今回の「Growth Hack Talks」におけるテーマはマッチングアプリだ。以前は出会い系などと呼ばれていたジャンルで、青少年保護などの観点から規制を強化すべきだという語られ方をすることも多かったが、人口が減少トレンドに入り、婚姻率・出産率の低下が課題となっている近年、少子化対策のためにマッチングアプリを活用していこうという流れは必ずくると平田氏は言う。

 具体的にはテレビCMの解禁が2年以内にあるだろうと言われており、市場規模もこの数年で5倍程度に成長する見込みで、今後もますます多くのアプリ事業者の新規参入が予想されている。

 平田氏は、2年後には競争が激化するかもしれないが、それまでは競合となるデベロッパー同士もギブアンドテイクの精神で知見をシェアしあってコミュニティを作っていきませんか、と本イベントにかける思いを語り、開会あいさつを締めくくった。

フェイスブック広告のアトリビューションはいかに

 さて、平田社長の開会あいさつに続いて、一番手として壇上に上がったのは、「Omiai」を運営するネットマーケティングの山中美佳氏。テーマはFacebook広告の活用だ。

株式会社ネットマーケティング メディア事業本部 マーケティングマネージャー 山中美佳氏
株式会社ネットマーケティング メディア事業本部 マーケティングマネージャー 山中美佳氏

 山中氏は「Omiai」におけるアクイジション(獲得)に関わる広告領域を担当している。「Omiai」はFacebook経由でしか会員登録できないサービスなので、フェイスブック広告の活用が重要になる。

「Omiai」は初回登録時に「Facebookでログイン」する仕組みだ
「Omiai」は初回登録時に「Facebookでログイン」する仕組みだ

 しかし、最近ではFacebook広告のCPM高騰が著しく、ユーザーアクイジション(新規獲得)が伸び悩んでいた。とはいえ、他の媒体で広告を打つと、Facebookアカウントを持っていない人にも広告が配信されてしまうため、Facebook広告に代わるチャネルとはなりえない。

 Facebook広告のCPMが高止まりして獲得数が頭打ちになるなか、自社にとってFacebook広告の獲得単価はいくらまでなら許容されるのか、が同社の課題だったのだ。

 この課題に取り組む中で山中氏は、Facebook広告配信量のトレンドと、リスティングやオーガニックといったFacebook広告以外の流入経路によるアクイジションのトレンドに相関がありそうなことに気づいていた。ちなみに、Facebook以外の広告配信量は一定だった。

 ということは、Facebook広告が間接効果を発揮して、他のチャネルからの新規獲得をアシストしているのかもしれない、と山中氏は考えた。たとえば、リスティング広告を見て登録したBさんが、事前にフェイスブック広告に触れていた場合、フェイスブック広告のアシストがあったと考えられる。

 Facebook広告のアトリビューション効果を勘定に入れるとして、具体的にいくらまでフェイスブック広告の獲得単価を上げてもペイするのかが問題だ。そこで山中氏はFacebook社の協力を取り付けて、調査を行ったという。

 検証方法は、「Omiai」への会員登録時のFacebook IDを、Facebook広告接触時のFacebook IDと照合するというものだ。結論としては、従来の設定よりも1.46倍の獲得単価を設定して問題ないほどのアシスト力がフェイスブック広告にはあることが判明したという。

 これをうけて入札単価を上げたところ、新規獲得を昨年比で160%程度に増やすことができたと山中氏は振り返り、スピーチを終えた。

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この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/06 11:08 https://markezine.jp/article/detail/27358

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