AEO施策で取り組むべきことの全貌、見えていますか?
今回は、AI時代を追い風に、さらに売れるブランド・商品・サービスとなるために具体的に何をするのかをイメージするところからスタートしましょう。あえてかなり粒度を下げたところから話を始めますが、以下にAEOの具体的な施策リストの一例を挙げています。
この図では、「1.自社サイトのテクニカル施策群」「2.自社サイトのコンテンツ施策群」「3.自社サイト以外のコンテンツ」の3つの施策群で具体的な施策を整理しています。なお、これは当社内で管理している施策リストの1割未満です。実際に取り組むべきことはこの10倍以上あり、まさに「氷山の一角」だとお考えください。
SEOとAEOの違いは?「自社サイト以外のコンテンツ」対応がカギに
SEOでは基本的に「サイト単位」で評価を高め、検索順位の向上を目指します。一方、AEOでは「ブランド単位」「商品単位」で評価を高め、AIからの言及量や言及の質を上げることを目指す点に大きな違いがあります。
これはAIの動きによるもので、AIがユーザーと対話をするにあたり、以下の点まで参照するケースがあるためです。
- 広報活動の中でどのように語られているか
- 第三者が運営する比較サイトでどう評価されているか
- 口コミ、評判はどうか
- SNS上でどのような文脈で言及されているか
自社サイト以外のコンテンツの重要性は、プロンプトによって変わる
「3.自社サイト以外のコンテンツ」の重要性は、ユーザーが投げかけるプロンプトによっても変わります。
Speeeの事例を紹介すると、「SEO・AEOのコンサルのおすすめを教えて」といったプロンプトでは、ユーザーのニーズに合っているブランドなのかが論点になります。このため第三者評価を重点的に参照することとなり、「3.自社サイト以外のコンテンツ」が非常に重要になるのです。
一方で、「AEOの施策にはどんなものがある?」といったプロンプトで自社の見解を言及させたい場合は、いかに自社コンテンツを見つけてもらい、他社コンテンツよりも文脈上適切であると判定させるかが勝負です。そのため、「1.自社サイトのテクニカル施策群」や「2.自社サイトのコンテンツ施策群」の重要度が高くなります。
いずれにせよ、従来のデジタルプロモーション施策と比べると、広報やブランディングチームまで巻き込む必要があり、プロジェクト進行の難度は上がりやすいと言えるでしょう。
実際にやってみて分かったAEOの難しさ
Speeeでも実際にAEOに取り組む中で、主要プロンプトでの推奨順位を上げるために、ビッグワードのSEO、オウンドメディア記事やインタビュー記事の品質向上、YouTubeチャンネルの増強・外部メディアでの発信など大量の施策を投下。PDCAを回し、かなりの試行錯誤が必要でした。
また今後も、新たな対話型AIプロダクトが次々に生まれ、モデルもアップデートされていくことは明白です。プロジェクトとして歩みを止める余地はありません。息の長い、そして事業的にも重要性が非常に高いプロジェクトですので、特に経営者・責任者目線ではどう筋よく再現性を高めていくのかが問われます。
では、どのように効率的にAEOを進めていくべきなのでしょうか?
どんなプロンプトで、どんな言及をされていればOKなのか?
その前に、そもそも自社や自社商品・サービスについて「AIがどこで何を言っていれば良いのか」を皆さんは即答できるでしょうか。SEOやリスティング広告であれば、以下の通りポイントが比較的明確です。
- そのキーワードが重要かどうか
- 目標とすべき順位
一方AEOでは、以下がポイントとなり、設計が一気に難しくなります。
- どの文脈で自社が登場すべきか
- 文脈パターンが無数に存在する
また、単純に「上位で推奨されていれば良い」という話でもありません。本連載の第2回で触れたように、誤った情報で言及されていればNGです。2〜3位に並ぶ競合のほうが魅力的に語られていれば、結果的に損をしてしまうケースもあります。
実際に当社クライアントから寄せられた悩みとして、次のようなものがありました。
競合と比較された際、自社だけ価格が書かれておらず、他社は“安い・コスパが良い”と書かれている。
実際には自社のほうが安価で品質にもこだわっているのに、これが原因で問い合わせが減っているのではないか?
AIが登場する前は、複数社から資料を取り寄せて比較検討する行動が一般的でした。しかし、AIが要約した情報をもとに一次スクリーニングを行うことが当たり前になれば、AI上での言及内容そのものが意思決定に直結します。
AEOの目標の決め方
そもそも、AIはどのように推奨文を生成しているのでしょうか。AIは、人間が入力した文章をそのまま理解しているわけではありません。文章を分解し、キーワード(=サブクエリ)に落とし込んで文脈を解釈しています。MicrosoftのBing Webmaster Toolsに2026年2月にベータ版が追加された「AI Performance(AI パフォーマンス)」では、「Grounding Query」としてキーワードごとの引用数が表示されるようになりました。
AEOにおいても、検索キーワードと同様に以下のポイントを整理し、どの文脈で自社ブランドが登場すべきかを定義することが第一歩となります。
- 自社にとって重要なプロンプト(相談文)
- その背景にある相談意図
