SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

イベントレポート

少子高齢化も追い風!?Omiai、with、Poiboyら恋の嵐起こすマッチングアプリのグロース戦略


非モテ?ユーザーも達成感味わえるようにしてリテンション改善

 続いて、「女子から選んだらマッチング」する仕組みを特徴としている「Poiboy」を運営するダイバースの徳永清詩氏が、同社のグロース戦略について講演した。

株式会社ダイバース エンジニア 徳永清詩氏
株式会社ダイバース エンジニア 徳永清詩氏
 近年「Poiboy」はリテンション(継続率)を6%アップすることに成功しており、その背景には、オンボーディング戦略とユーザー分析があるという。

 

女性側がポイ(いいね)するとマッチングする「Poiboy」
女性側がポイ(いいね)するとマッチングする「Poiboy」

 まず、オンボーディング戦略について。「Poiboy」をユーザーが利用してデートするまでの流れをおさらいしておくと、女性が「ポイ」(男性にいいねを送信)すると、マッチングが実現し、メッセージのやりとりが可能になり、メッセージを通じて親しくなれば、リアルに会ってみる、というものだ。

 とはいえ、実際に出会ってデートするところまでこぎつけるのは簡単ではない。そこで、出会うよりも前の段階で、アプリの楽しさを実感してもらう(オンボードしてもらう)ことが重要だと考えたという。

 特に注力しているのが、初回起動時のオンボーディングだ。具体的には、「いつ、だれが、どんな状態」にあり、「どういう気持ちにさせたいか」を考え、ユーザーの体験を阻害しているものが何で、改善点がどこにあるかを表を作って分析しているという。

 初回起動時にこだわるのは、ユーザーはインストールした直後が最もやる気になっているため、いいイメージを与えて二回目の起動につなげることが重要だからだ。

 次にユーザー分析について。たとえば、男性ユーザーの分析においては、オンボーディングの各ステップにおいてリテンション数値がどうなっているかを調べた。

 「Poiboy」では、ユーザーが長く使うほどPoiされる数が増え、NONEからブロンズへ、そしてシルバー・ゴールドと、より上のステータスにグレードアップしていく。上のステータスに行くほどリテンション数値はよくなるので、早く上位のステータスへと階段を登っていってもらうことが全体のリテンション改善につながる。

 なかでも、会員登録したばかりでステータスがない「NONE」の状態から「ブロンズ」のステータスになると、リテンションが25%も向上するということがわかった。この差は大きいので、より多くの新しいユーザーを「ブロンズ」にする施策を模索することになった。

 そこで、インストールして間もない男性ユーザーには、かわいいと思われそうな女性の写真を多めに見せて、出会いに対するモチベーションを高める工夫をし、Poiされやすくなるブースト機能を無償で使えるようにした。加えて、「ブロンズ」となる閾値をさげることで、ステータスアップの達成感を味わいやすいように工夫したという。

 これらの取り組みによって「ブロンズ」になるユーザーを25%増やし、結果として6.25%のリテンション率改善を実現したという。

グロースのために必要な三種類の人材

 ルックスや年収などスペックではなく、価値観や気が合うかという性格や共通点にもとづくマッチングを目指す「with」を開発しているイグニスからはプランナーの園田励氏と石毛健太郎氏が登壇した。演題は、「グロースのための総合力」と「withの改善」についてだ。

左から、株式会社イグニス プランナー 園田励氏、石毛健太郎氏
左から、株式会社イグニス プランナー 園田励氏、石毛健太郎氏

 園田氏によると、サービスは一人で作るものではないので、「理想屋」「課題屋」「解決屋」という性質の異なる三者の連携による総合力が重要だという。

 「理想屋」がいないと、目の前の細かな課題の改善に終止してしまい、既存の枠組自体の改善が実現しないことがある。

 他方で、「課題屋」がいないと、問われるべき課題がスルーされてしまい、堅実な利益構造が生まれにくく、企画のリスクが高まってしまう。

 そして、「解決屋」がいないと、課題がすべきことへと収束せず、アウトプットへと結実しない。

 したがって、「理想屋」「課題屋」「解決屋」という三者の視点をそろえるとともに、未来の理想像や課題意識、クオリティを生み出すためのレギュレーションといった情報をチーム全体に共有していくことが重要になると園田氏は締めくくった。

本記事で紹介した「Growth Hack Talks」マッチングアプリ特集第二弾が抽選申込受付中!

Repro株式会社が主催するアプリマーケティングイベント「Growth Hack Talks#9 マッチングアプリのグロース特集Vol.2~クリスマス直前!今からでも遅くない恋人探しとアプリ改善」の先行抽選が始まりました。日程は、2017年12月6日(水)or 12月7日(木)で調整中。国内最大級のマッチングサービス「ペアーズ」のアプリ担当者や、人気オンラインメディア「The Startup」代表の梅木雄平氏が登壇予定です。詳細・申込はこちらから!

次のページ
退会アンケートのフリーアンサー分析から生まれた「休憩モード」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/11/06 11:08 https://markezine.jp/article/detail/27358

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング