YouTube/Facebookはともに素晴らしいメディアで高い宣伝効果がある一方、短所も存在する。以下、「とりあえずYouTube/Facebook」となる前に、知っておきたいそれぞれの長所と短所について見ていきたい。
YouTube/Facebookの良いトコロ
圧倒的なリーチ
YouTube上には10億人以上のユーザーが存在し、日々彼らは動画を見て多くの時間を過ごしている。YouTubeと同様にFacebookも膨大な数のユーザーにリーチすることが可能だ。全世界の月間アクティブユーザーは17億人を超え、傘下のInstagramも含むとさらに大きな数字になる。
ユニークなデータセット
YouTube/Facebookがユニークなデータを持っていることは言うまでもない。YouTubeはGoogleの非常に幅広いデータを活用できる。Facebookはユーザーが何に“いいね”をしたかのデータを持っている。つまり、Googleはあなたが探しているものを知っているし、Facebookはあなたが好きなものを知っている。
Google/Facebookは、アカウントにログインしている場合にデバイスをまたいだ、クロスデバイスターゲティング広告配信が可能という強みもある。例えば、通勤途中にスマートフォンであるウェブサイトを訪れたユーザーが帰宅後、デスクトップを使ってさらに詳細な情報検索や閲覧を行っていても、そのタイミングを捉えて関連性の高い広告を表示できるようになる。
もちろん、その他のメディア配信プラットフォームもCookieを用いてIDを付与するなどして名寄せによるクロスデバイスのデータを利用できるが、Gmailなどコンシューマ向け自社サービスを持つGoogle/Facebookのユーザーログイン情報はより決定的である。
一人のユーザーが複数デバイスを持ち、時間帯や場所によって、スマートフォン、デスクトップ、タブレットを使い分けていることが当たり前な今日、この機能がコンバージョンにもたらす効果は大きいと言える。
滞在時間の長さ
YouTube/Facebookはともに競合サービスに比べ、ユーザーの滞在時間が長い傾向にあり、広告主にとって有益なプラットフォームとなっている。具体的には、モバイル版YouTubeの平均滞在時間は40分と公表されている。Facebookにおいては、1日あたりの平均滞在時間は20分にもなり、これはネットに費やす時間の20%を占めている。
安価なコスト
YouTubeは30秒以下の尺の動画を流すときは視聴完了まで課金が発生しない課金体系となっており、また、視聴者が広告を視聴するか、スキップするかを選択できるオプションがあるため、ユーザーは不要な広告の視聴を避け、広告主は無駄なコストの発生を抑えられる。Facebookではそもそもの視聴単価が非常に安価になっている。
よって、限られた予算でキャンペーンを運用した場合には始めやすい選択肢だ。ただし、米国Business Insiderによれば、YouTubeは2018年から徐々に、米国で人気がある、いくつかのプレミアムチャンネルへの広告配信単価を20%値上げする動きもあるようだ。