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動画広告の最重要指標!?「フリークエンシーキャップ」を決めるための5つの要素

フリークエンシーのコントロールはブランドセーフティのみならずROIにも寄与する重要な要素だ。フリークエンシーキャップを決めるためのベストな方法は存在するのだろうか? ニューヨークに本拠を置き、動画広告をグローバルで配信するプラットフォームとマネジメントサービスを提供しているGlassView Japanの岩本香織氏による寄稿をお届けします。

フリークエンシーとは

 フリークエンシーとは、1人のユーザーに対して広告を表示する回数を意味し、フリークエンシーキャップとは、1人のユーザーに対して広告を表示する回数の上限のことである。

 フリークエンシーキャップを設定する目的は、ユニークユーザーあたりの接触頻度をコントロールすることでキャンペーンを成功に導くことにあり、フリークエンシーコントロールとも言う。

なぜフリークエンシーは重要なのか

 どんなに好きなブランドでも、ユーザーの番組視聴やブラウジングを繰り返し遮ることがあれば、「しつこい」とユーザーの疲労を引き起こし、ひいてはブランド毀損のリスクにつながる。一方で、ユーザーの態度変容を引き起こすまでには広告を複数回見てもらわなければならないということも知られており、回数が少なすぎると認知すらされない。

最適解のないフリークエンシー

  では、最適な広告表示回数は何回なのか。残念ながら、フリークエンシーには、これと言ったマジックナンバーは存在しない。なぜならば、最適解は広告目的、商材、季節性など、その時々に広告を取り囲む様々な変数に大きく影響されるからである。

最適なフリークエンシーを左右する変数

  • 広告目的(ダイレクトレスポンスか、ブランディングか)
  • サービス・商材カテゴリー(日常消費財、もしくは、自動車、金融商品などロイヤリティが高い商品か)
  • 広告主のブランド認知度(誰もが知っているブランドか、今から認知を獲得するブランドか)
  • ターゲットセグメントの特性
  • 季節性(曜日、ボーナス時期、年末商戦など)

 たとえば、日常消費財系の広告は、休日に表示回数を上げることが効果的であることが知られているし、購買意欲が高まるボーナス時期や決算期などハイシーズンは露出を高め、ローシーズンは露出を抑えるなど、フリークエンシーキャップを固定するより、シーズナリティに合わせてメリハリを付ける必要がある。

  したがって、キャンペーン実施中に、クリックや視聴完了などのユーザーエンゲージメントが発生するのは広告が表示されて3回目なのか、5回目なのか、リアルタイムでモニタリングしながら微調整していくことがキャンペーン目標に近づけるコツである。

調査データから見る、フリークエンシーとブランドリフト

 Nielsenの調査データによれば、フリークエンシーは、ブランド認知度や購買意向と比例し、ブランド好意度と反比例の関係が見られる。好意度のリフトを期待する場合、過剰な露出回数はむしろ消費者の反感を買うリスクがあり、フリークエンシーキャップを厳しく設定することが重要だ。

 また、商品・サービスが属するカテゴリーとそのライフサイクルも重要な変数だ。消費財、エレクトロニクス、リテールなどのライフサイクルの回転が速いカテゴリーでは、フリークエンシーは消費者の態度変容に一定の影響を与えるが、たとえば、ロイヤリティ重視の金融系商品との相関は低いとされる。顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」は、長期的なコミュニケーションやカスタマーエクスペリエンスによって形成されるものだから。

フリークエンシーとROI

 広告運用で過小評価されがちなフリークエンシーだが、うまくコントロールすれば、無駄な広告表示回数を減らし、キャンペーン費用の削減やROIに寄与するばかりでなく、繰り返される広告表示によるユーザーの疲労を防止し、ブランド価値の低下を防げる。たかがフリークエンシー、されどフリークエンシー。広告主に大きな利点をもたらすツールの一つとして、今一度見直してみたい。

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この記事の著者

岩本 香織 [GlassView Japan](イワモト カオリ)

GlassView Japan合同会社COO。ニューヨークに拠点を置きグローバルでブランディング動画広告配信ソリューションを提供するGlassViewに、2015年における日本支社立ち上げメンバーとして参画。2016年より副代表に就任し、デジダル動画マーケティングで課題を抱える広告主・マーケティング担当者の支援をミ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/13 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27614

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