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「日本サッカー界はデータ分析で強くなる」 変革に取り組む2社が明らかにした、得点につながる要素

「1試合約2,000のデータ」×「J1全306試合」を分析

 続いて、実際の取り組みについて両社に解説してもらった。データとして活用したのは、データスタジアムがJ1の全306試合において取得したもの。驚くべきは、そのデータの粒度の細かさだ。

 「パスやシュートなど、ボールに触れた時点のデータはすべて取得しています。各試合を見ながら、専用のシステムを利用して記録していて、1試合で2,000近くのデータが集まります」(久永氏)

 集められたデータは「Data Diver」にて分析。「得点」につながるプレーの傾向を探った。 

 「チームにとってもサポーターにとっても一番気になるのは『得点力』です。ですから、得点につながるスタッツを考えうる限りのプレーからデータ解析したのが今回の結果です」(西内氏)

 たとえば、「オフサイドが1回増えると得点は0.06低い傾向」「スルーパス成功が1回増えると0.06高い傾向」など得点に影響を及ぼす行為を具体的な数値で明らかにする。項目の中には「○○(チーム名)が入っていると得点は高い/低い」のように得点力の高いもしくは低いチームまでもわかってしまうものもある。

 また、各項目が実際のプレーとの相関性が高いかどうか「クリアさ」という指標で表しており、同指標を見ることで注力すべき項目か否かを判断できる。そして何より、「これまでファンや監督などが考えていた定説を覆すような示唆も多く得られた」と西内氏は語る。

 「これまで、コーナーキックやフリーキックは一般的にはチャンスと捉えられてきましたが、分析結果ではどちらも1回増えるごとに得点にマイナスだということがわかっています。セットプレーになるということは、決定的チャンスを防がれたともいえるので、増えれば増えるほど点にはつながらないのです。言い換えるならば、昨シーズンのJ1では、あまり点の取れないチームほど流れの中からではなくセットプレーに頼りがち、ということです」(西内氏)

監督、コーチが気づかない「得点の要素」を浮き彫りに

 これだけでも過去に得られなかった示唆を発見できる今回の取り組みだが、「その他にも様々な点に気づける工夫をした」と久永氏は語る。

 「ピッチ全体をタテに6つのグリッドで分けてデータを収集することで、試合中、どんな場面、プレー展開、結果になったかが詳細に把握できます。これにより、チームの監督やコーチがまだ気づいていない『得点につながる要素』を明らかにしました」(久永氏)

 これに対し、西内氏はアタッキングサードと呼ばれる攻撃的エリアでのプレーを例に挙げて話した。

 「アタッキングサードからのパス成功数が増えると、得点にマイナスの影響を及ぼします。しかし、そこでのパス成功率が上がると得点にプラスの影響を及ぼすのです。

 つまり、同エリアに行ったらパスは成功させなければならないのですが、成功率を上げようとすると当然、安全なパスを通しがちですよね。そうやって何本もやっていると得点から遠ざかっていくんです」(西内氏)

 これらの示唆を具体的な数値をもとに導き出せるのは、サッカー関係者にはとても有益なのではないだろうか。さらに、「Data Diver」では得られた分析結果をPowerPointやExcelの形式で簡単に書き出しできる。

「思いもよらない結果が得られる」Data Diverの秘密

 今回記事に登場するデータビークルのデータサイエンス支援ツール「Data Diver」ですが、記事内では機能の詳細は語られません。しかしながら、J1リーグのコーチングスタッフやフロントも気づき得なかった、得点の要素を明らかにするツールには何か秘密があるに違いありません。

 現在データビークルの公式サイト上では、Data Diverがどのような特徴を持ち、なぜ通常の分析では発見できなかった知見が得られるのかを解説しています。ぜひ記事と併せてご覧ください!

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この記事の著者

浦野 孝嗣(ウラノ コウジ)

 2002年からフリーランス。得意分野は経済全般のほかIT、金融、企業の経営戦略、CSRなど。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/11 11:00 https://markezine.jp/article/detail/28169

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