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MarkeZine Day 2025 Retail

自社に合ったブランドセーフティ、Oath Japanが語る実現方法

自社のブランドセーフティ実現、いったい何が必要?

全てのプレーヤーが自分ごとに

 ブランドセーフティの対策は、単にデマンド側・サプライ側での対策、どちらか一方の努力だけで解決できるものではないことが、概ねわかっていただけたと思います。

 最後に、サプライ側で特に多い問題を挙げておきたいと思います。それは、自社は健全な品質管理をしているから良い、自社とは関係ない問題であるとブランドセーフティを他人事のように捉えている節があることです。

 なぜこれが問題かというと、「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉の通り、違法、有害なサイト、コンテンツのインプレッションを広告在庫として流通させるメディア、エクスチェンジがいれば、それはプログラマティックによって取引される広告在庫全体の品質低下、信頼低下を招くことにつながるからです。

 さらに、その状態が続くとインプレッション全体の価値は相対的に下がり、最終的には健全に運営していたはずのメディア、サプライサイドのプラットフォーム事業者が得られる広告収益の減少を招いてしまうため、サプライ側の意識改革は非常に重要だと考えています。

 弊社 Oath JapanもTechCrunch、Engadget、Autoblogなどのメディアを運営し、またONE by AOL:Display MP、ONE by AOL:Mobile といったSSPの提供を通して、メディアの収益化を支援する立場にあります。

 メディア、そしてSSP事業者として、業界に対する重い責任を持っていると考えており、広告在庫の品質においては、最大限の配慮を持って運営に当たっています。また、個社対応のみならず、Oath JapanとしてJIAA(日本インタラクティブ広告協会)の活動にも積極的に参加しています。

 筆者もブランドセーフティ対策を中心に議論するネットワーク広告部会に参加させていただき、昨年12月に『広告掲載先コントロールによる「ブランドセーフティ」確保に関するJIAAステートメント』というステートメントを発表するお手伝いをさせていただきました。こうした活動を通して、筆者も業界全体としてのブランドセーフティ対策に微力ながら貢献していきたいと考えています。

 問題のあるサプライプラットフォーム、メディアの運営者に広告収入が流れる、もしくはそうしたリスクの回避により、デマンド側の広告やマーケティング費の一部が他のソリューションに移されてしまうことは、本来真っ当な運営を行っているサプライ側プレイヤーが受け取るはずであった広告収入機会を侵害することを意味します。

 自社は対策をとっているから問題はない、対岸の火事であると思うのではなく、全てのサプライ側プレイヤーにとって自分ごとであるという意識を持って取り組むことが必要ですし、デマンド、サプライを含む、業界全体で取り組んでいくべきテーマの一つです

 ここまで読んでいただいた方、誠にありがとうございます。皆様の立場は、どこに当たるでしょうか。広告主、代理店、DSPやSSPの事業者、媒体運営者、様々な立場の方がいらっしゃるかと思います。ブランドセーフティはその全ての立場の方々が当事者となりうるテーマです。是非とも業界全体で取り組んでいきましょう。

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この記事の著者

高橋 俊仁(タカハシ トシヒト)

 Oath Japan株式会社、プロダクトマネジメント&テクノロジー部 部長 2015年2月より現職。OathがGlobalで提供する広告配信プラットフォームテクノロジー全般を統括。また、オーディエンスデータ連携案件を中心に、ビジネスニーズ実現に対しテクノロジーの見地からサポートする、技術コンサル的な役割も担う。O...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/28708

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