電通テックは、9月3日、「株式会社マイデータ・インテリジェンス」を設立した。新会社では、 生活者に関わるあらゆる個人情報「パーソナルデータ」を1つのIDで統合・管理し、生活者・企業双方にとって有益なマーケティング支援サービスを提供する。
これまで同社は、企業から業務委託を受け、プロモーションやオウンドメディア等の運用を通して応募者や参加者等のパーソナルデータを多数取り扱ってきた。長年の業務で培ってきた管理運用ノウハウをベースに、生活者と企業をパーソナルデータでつなぐ新たなサービス基盤をマイデータ・インテリジェンスにおいて構築する。
これにより、生活者に対しては自身で一元管理するパーソナルデータに応じたベネフィットを提供することが可能に。企業に対してはより高度なプロモーションサービスの提供とROI最大化への寄与を実現する。
本発表に際し、マイデータ・インテリジェンス 代表取締役社長 石井尚二氏と、取締役 森田弘明氏による会見が開かれた。
電通テックは、プロモーション領域全般の課題解決を担う企業だが、2016年以降はプロモーションのデジタル化が加速し、より効率と精度を高めることに取り組んできた。One to Oneマーケティングへの流れが加速する中、クライアントの顧客接点をオンオフ問わずに構築するのがミッションだという。
データ流通市場は未整備だが、自らがサービス事業者となり、生活者と企業の間にたって、エコシステムを築くことが必要不可欠だと判断し、数年ほど前から本事業に着手。「個人情報は生活者のものであることに立脚し、生活者にとって利便性の高い信頼のおけるサービスを提供していくことが第一」と、石井氏は新会社における意気込みを語った。
新会社の概要については森田氏が説明。2018年11月中旬にプロモーションメディア「MEY ベネフィット」を、2019年4月頃にはID/パスワード管理機能等を搭載したポータルアプリ「ポケット」をリリースする予定だ。「パーソナルデータを介した生活者と企業のエンゲージメントを強化し、IDベースのマーケティングを支援していく」と森田氏は語った。
なお、本取り組みは電通グループが推進する"人"基点の「People Driven Marketing」のフレームワークとも連携。企業のCRM活動や広告施策の精度向上など、フルファネルで企業課題の解決を目指す。
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