A/Bテストでターゲットのニーズを知る
清水:具体的な例を挙げますと、「Samantha Thavasa Petit Choice」という小物系のブランドで、雑誌の『美人百花』とコラボレーションした財布のキャンペーンがあります。
ブルー・ピンク・ホワイトの3色展開でしたので、まずは、色違いがあることを訴求するパターン、そしてカードが何枚入るかという機能訴求のパターンを伝えるクリエイティブを作成し、FacebookのA/Bテストを用いて検証しました。
A/Bテストの結果、機能訴求のクリエイティブが最も効果が高く、購入にもつながりました。見た目だけでなく、使いやすさも知りたいというニーズがあるのだなと感じましたね。この結果は、クリエイティブやランディングページのデザイン改善にも役立てております。
澁田:カラー展開訴求か機能訴求か、という比較だけではなく、モデル画像か商品画像か、という比較や、複数のモデル画像の比較なども行っています。感覚で判断するのではなく、数値をもって良し悪しを判断できるので、ブランドイメージの方向性を決める一つの材料として有効だと思ってます。
新規購入、認知につながるビジュアルを把握
MZ:本当に細かくクリエイティブのPDCAを回し、運用をされているんですね。
遠藤:その上、常に弊社視点で親身になって運用いただいています。クリエイティブも弊社で制作した素材のほか、要件を添えて制作をお願いしていましたが、最近では私たちのニーズを組んでクリエイティブを制作してくださることも多く、ありがたいですね。
清水:広告のビジュアルやデザインは、世の中のトレンドを参考にしつつLPと広告の世界観がずれないように制作しています。また、CTRやCVRなどの数値だけを求めるのではなく、ブランドとしてのロイヤリティを低下させないように気を配ることも大切です。
澁田:多い時は月に30キャンペーンを走らせるので、スピード感のあるコミュニケーションは重要です。私と清水の間でも、営業・運用と業務を完全に分けるのではなく、連携を深め、素早い判断やレスポンスを大切に対応しています。
MZ:これまでの運用から、どのような成果が見えてきましたか。
澁田:クリエイティブに関しては、どのようなビジュアルが新規購入につながるか、認知に反映されるかなどのデータが集まっています。同じアイテムであっても、モデルを前面に出す場合とアイテムだけの場合のクリエイティブでは、どのような違いがあるか。さらに機能訴求はどうかなどの検証を細かく行ってきました。感覚的ではなく、データをもとにしたクリエイティブ制作ができていますね。
遠藤:売上と新規獲得につながるストーリーができつつあります。ファッションの世界は感性が大切にされていますが、マーケティングにおいては、お客様にとってどのようなデザイン・ビジュアルの反応が良いのかという明確なデータも必要です。そこから、新しい気づきも生まれます。
今回得られたデータはクリエイティブの指標となり、デジタル起点で全体的なマーケティング戦略を考えていく土台になると実感しています。