インスタグラマーがクリエイターに
MZ:続いて、実際に行った施策について教えてください。
石橋:簡単にご説明すると、ECサイトに載せる商品画像をインスタグラマーに制作いただいたという内容になっています。

MZ:実際に施策を行うときに意識した点はありますか。
浅井:まずは行うタイミングですね。マーケティング施策やセールを定期的に行っている関係上、数値に可能な限りノイズが入らない時期を選択しました。
インスタグラマーへの発注といった作業に関しては、レモネードさんの「INFLUENCER ONE」を通じて行ったのでスムーズでした。そのおかげで、どのメガネを対象にしてどのインスタグラマーが適しているかといったプランニングに集中できました。
また、インスタグラマーのキャスティングに関しては石橋さんに相談しながら決めました。
石橋:弊社はハッシュタグなどで画像を収集するといったサービスではなく、オーダーメイドでコンテンツ制作してもらうサービスのため、JINSのメガネをかけてもらい写真を納品してもらいました。アサインいただいたインスタグラマーも、ファッション系に強くかつ自撮りでの投稿が多い方をおすすめさせていただきました。
浅井:補足すると、ファッション系に強いインスタグラマーをきちんと数値として「INFLUENCER ONE」上でわかるのがすごく良かったと思っています。各インスタグラマーの投稿に対するいいね数やその時期に人気のあるインフルエンサー、いいね率などもすぐにわかるので、起用を決める際の社内への説明も非常にしやすかったです。
権限委譲が良いコンテンツを生む
MZ:インスタグラマーがECサイト内の画像を制作するというのは意外でした。ちなみに施策を行う中で苦労した、大変だった点はありますか。
浅井:一番苦労したのは画質のところですかね。人によって送ってくる画像によってばらつきがあったので。ただ弊社はモバイルファーストでサイトを構築していることもあり、そこまで影響はありませんでした。
MZ:画像のサイズや容量など、画質に関わる部分を指定することもできたと思うんですが、なぜしなかったのでしょうか。
浅井:石橋さんからもアドバイスを頂いていたのですが、様々なルールを決めてしまうと自然な写真が撮れなくなり、その写真を見たお客様が違和感を抱いてしまう可能性が高くなるため、あまり縛りをつけないようにしました。
MZ:石橋さんは、インスタグラマーの方に良いクリエイティブを作ってもらうために必要なことってなんだと思いますか。
石橋:浅井さんからもありましたが、権限を委譲してしまうということに尽きると思います。インフルエンサーのコンテンツ制作力を企業のマーケティング活動に活かすことがこの施策の本質です。
たとえば、普段撮影しないような構図の指定とかを入れると、不得意な構図だった場合に写真のクオリティが下がるリスクが出てきてしまいます。その他にも、服装や背景など写真に入る様々な要素を指定せずお任せするのが一番です。
MZ:ちなみに、実際に出てきた画像素材に関して、どのような印象を受けましたか。
浅井:プロクオリティかと言われると、そうではないんですが、メガネを着用しているイメージが、お客さんと近い目線に立ったものになっていたと思います。デジタル事業部としても、できるだけお客様自身の目線でモノゴトを考えて、進めていくことが重要視されています。
