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広告クリエイティブディレクター小霜和也のお悩み相談室4「クリエイティブって、そんな簡単じゃない」

2018/11/13 07:00

 MarkeZine読者会と称して開催した「小霜和也氏によるWeb×マス統合セミナー(相談会)」。会では小霜さんが、事前に参加者の皆さんにお送りいただいた質問相談に答えて下さいました。この連載では、その内容をほぼ実録でお送りしています。本稿は、「小霜さん、質問してもいいですか?」Vol.4です。

【ここまでの流れ】

1.「今後の理想の広告の在り方って?」
2.「マスとWebの最適配分問題に対する打開策」
3.「いずれ、テレビとWebの同時配信が始まる」

総合エージェンシーの強さ

『クライアントリテラシーや業種やEC化の進み具合によって、今後マーケティングをどう使い分けていくべきか。』

 これね、僕が電通さんに聞きたい(笑)。その辺を一番わかっているのが、電通かなと思うんですけど。

 さっき言ったことと重なりますけど、デジタルリテラシー低いところにデジタルやりましょうって話しても、上手くいかないですよね。結局ね、相手に合わせて誰を出すかしかないんじゃないかな。電通はいっぱい球があるじゃないですか。「このクライアントにはこの球を出そう」っていうことができるわけなので、そういうことなんじゃないかなと思いますけどね。

 最初に言いましたが、デジタル系の人たちって割とピュアなロジックで話しがちで、それが故に宣伝部とかマス系の人たちと合わないことが多いんですよね。「あの人、何言っているんだろう」とか。文法が違う。マス系同士がわかり合う阿吽ってあって、「その辺言わせないでよ」「言わないでも、わかっているでしょ」みたいなのがなかなか通じないことも多々あるようですし。

 で、総合系エージェンシーの強さって、その辺にあるんじゃないかなと

 「言わんで宜しい。」「わかってますがな!」みたいなところにあるのかなって僕は見ていますけど。クライアントインサイトを掴んでいるという。なので「クライアントインサイトを掴んで、誰を出すか」っていうことじゃないかなって思います。

必ず、ターゲットとターゲットインサイトを把握する

『マスとWebの統合という中で、コミュニケーションの全体設計をしていく必要が出てくると思いますが、クリエイティブに限らず戦略面でなにか意識していることを教えて下さい。』

 戦略面で気を付けていることは、思い込みの排除ですね。僕、新しい仕事に入るときに必ず、「調査をしましょう」って言うんですよ。具体的には、グループインタビューだったりデプスだったり、定性調査。これをやると、必ず発見があるんですよね。「こうだろうと思ったけど全然違ったわ…!」「ターゲットってこんな風に見てたの!」みたいな。

 あと、思い込みで走っちゃうと、全部が間違った方向にいってしまうという怖さがあるんですよ。僕、基本憶病な人間なので不安なんですよね、根拠のない確信で走るのが。あと、言葉の端々からツボみたいなのがわかるときがあるんですよ。一番大事なのは、ここかなぁみたいな。それって、調査会社のサマリーの文章を見ていてもわからなくて、マジックミラー越しに見ていて、「ああ、ここかぁ」とわかるときがあるんです。そこから「ここがツボだな」「ここが急所だな」となって、こういう戦略でいこうとなるんです。

 グルインの暗いミラー裏で実は戦略を立てていることがよくあるんですけど、クリエイティブなんかも、この人にこのCMを見せたらどんな反応を見せるかなと考えたりしていて、こういう訴求をすると響くんじゃないかなみたいな。そこで企画を作ることもわりかしあって。

 必ず、ターゲットとターゲットインサイトを把握する。これは、マスでもWebでもなんでも同じだと思うんですけど、そこから戦略を立てるのを守るようにしています。

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