~相談会を始める前に~実は今週3回も講演やってまして、喉がガラガラで……。声が出ないかもしれないんですが、まずそこをご了承ください。
僕、エージェンシー含めいくつかの企業とアドバイザリー契約をしておりまして。時々相談会をやるんですよ。2時間なら2時間って時間を決めて、その会社の人達から相談を受けて、僕が答えるということをやるんですけど。
やっぱりお一方30分は要るんです。今回は20社さんいるので、さすがにマンツーマンはないなと思いましてですね、どうしようかなと考えまして。あらかじめご質問をいただいているので、それに対して、僕なりの回答を今日持ってきました。まずは、それでお答えしようと思います。もし、ここはわからないとかそういうのがありましたら、後でご質問いただくということでいいでしょうか。
テレビありきじゃないと難しいのが現状
『マスとWebの統合プランニングを促進するためのプランニングフローをどう変えていくべきでしょうか?』
ご質問いただいた〇〇〇ルさんには、僕のほうが聞きたいことが色々あって(笑)。「TrueViewからGDNに繋げなくするって、どういうこと?」とか。それはさておき……。
この会の前に「プランニングフローって、どういう意味ですか?」と質問を逆に返させていただいたんですね。そしたら「テレビCMのコンテンツありきで、それをWebに展開するっていうフローを変えたほうがいいんじゃないか」ということでした。
それに対して僕が思うには。
確かにですね、Webで完結するようなキャンペーンの場合は、出すところを先に決めて、後からコンテンツを考えるのが正しいと思うんですよ。出すところを先に決めないといけない。コンテンツを後から考えるのが正しいと思うんですよ。僕も実際に、運用コンサルとかに相談して、どういうターゲットに対してどう出すのかを決めてから、コンテンツをどうするかやるので、そういうフローもあると思うので。
でもね、なかなかね、そうできない事情もあって。どういう事情かっていうと、大体流通のこととか。
つまり、未だに小売りの棚を獲るっていうと、テレビCMの出稿量が取り引き通貨になっていることがありますから。まずはテレビCMありきじゃないと、っていうことがあったりします。
あと、タレントさんで「テレビCMないと契約しません」っていう方がまだいらっしゃるので。「テレビCMではタレント使うけど、Webはノンタレで」ということもあるんですよ。だから、そうすると、やっぱりテレビCMのコンテンツを決めてから、それをどういう風に展開していくかという流れで考えざるを得ないという状況が現状としてある。ただ、そういうことすらまだまだ上手くできていないんです。
たとえば、この間も、インスタに広告を出すということで、インスタ用の正方形動画の本編集をやっていたらね、その場で営業さんがクライアントに「今度、運用チームがTrueViewの提案をしようと思っていますから」とか言い出すわけですよ。
「いや、チョチョと待て、何を言っているんだ」と。今まさに完パケしようとしているところで、運用の提案をしようと思っているとは、どういうこと? と。
そしたら、クライアントの方もですね「実は、これ店頭でも流したいと思っているんですよね」とか言い出すんです。「だったら、長方形の動画が要るじゃん!」となるわけで。
「それはまた後で、編集すればいいんじゃないの?」と思っているようでしたけど、それって超ムダですよね。そのために、また仮編から本編やるのはあまりにもムダだから、「だったら、今この場でやったらいいじゃないですか」と。
ちなみにインスタのムービーって、モニターにテープを貼って、正方形に要素が収まるように撮るわけですけど。元素材を使えば、TrueViewとかの長方形サイズにもできちゃいますから、その場で「今やろうぜ!」って作っちゃったんですけど。そういうね、あべこべなことだったりとか、めちゃめちゃ無駄だよね、ということが割と普通に行われているというのが、今の現状なので。
まずは、その辺からちゃんとやろうよって思っています。
ただ、そういうことができるのは、僕がクリエイティブのトップだったので、できたというか。プロデューサーにも「これできるよね?!」って言って、「頑張れば、できます!」みたいな、「じゃあ、やって!」って言えたからできたわけで。CDとかECDみたいな人達が、そういうところもしっかり見てやらないといけないと思う。
あと、デジタル系の人って、ピュアなロジックで進めようとする傾向があるかなと思うんですよ。でも、マスの世界ってけっこうドロドロしているんですよね、色々な事情があって。マス系のCDって、いろんな事情をいったん腹に収めて、ガラガラポンで「これがベストじゃないでしょうか」と出す役割があったりもするので。なかなかね、綺麗にWeb発でテレビというフローは渋いところがあって。
まあ、スムーズにいけばやっても良いと思うし。でもやっぱりね、まだテレビコンテンツ発にせざるを得ないというのがあるということですね。
「どっちからやってもいいけど、できるだけムダがないように効率よくやりましょうね」というのが、僕の答えになります。