ICタグで書籍管理の時代に
2008年1月1日(火曜日)に日本経済新聞の12面において、ある記事がとりあげられていました。新聞の見出しは「ICタグで書籍管理」。どういうものかといえば、書店で販売する書籍(のカバーや背表紙などの目立たない部分)個々にICタグを埋め込み流通管理をしてしまおうというもの。
もちろん、先述の通り流通管理が前提としてはあるのでけれども、その用途はもっとミクロ化されており、
- 万引き防止
- マーケティング
にも活用しようとする動きがでている。
万引き防止については、以前から動きがありCDショップなどでは、よくCDの包装ビニールに四角形のプラスティックの大きめのタグが貼り付けられていることを見たことがある人もいると思う。(レジで購入をするとICタグのステータスを購入済に変更し、万引き防止ゲートの出入りを行っても、ひっかからないようになる)が、「マーケティングに活用」にまで発展したというのが、ちょっとした進化なのである。
例えば、書店の書棚にIDタグの読み取り装置を設置しておき、来客者が本棚から取り出すと取り出し回数1カウント。購入されずに、また本棚に戻されると戻し回数1とカウント…といった具合で、どの書籍がどれだけの人に触れられて…つまり、立ち読みされて、さらには購買に至ったのか?ということがわかるようになるという仕組みである。
この仕組みのメリットは、手に取った回数から購入に至るまでのコンバージョン(成約率or購入率)などを分析することができ、同一本棚に他の書籍と並べた…もしくは、並べ替えた場合の購入比率などを正確に把握できる点にある。また、それ以外にも書籍を手に取ったユーザーが、どのような他の書籍を同時購入したのか?という点が把握できる事も大きなメリットである。
【編集部注】
トレーサビリティとは、 物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態を指す。参考:Wikipedia