ICT総研は、2018年度のSNS利用動向に関する調査を実施した。
ネットユーザーの約7割がSNSを利用
はじめに、日本国内のSNS利用者数を調査。その結果、国内のSNS利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2018年末には約7,523万人に達する見込みとなっていることがわかった。2017年末の国内ネットユーザーは約1億12万人と推定されているが、SNS利用者はそのうち72.1%にあたる約7,216万人だった。2018年の年間純増者数は約307万人となる見込みで、1ヵ月平均で約26万人の利用者が増加している。
また、SNS利用者はこれまで10~20代の若年層が多かったが、現在では40~60代以上の年齢層にもSNS利用が拡大。登録者数・利用者数ともに増加傾向にあることがわかった。このまま普及が進めば、2020年末には利用者数は約7,937万人、ネットユーザー全体に占める利用率は78.7%に達する見通しだ。
新興サービス「TikTok」が急浮上
続いて、各SNSの利用率について調査。利用率が最も高かったのは「LINE(80.8%)」で、その他は「Twitter(42.8%)」「Instagram(35.8%)」「YouTube(34.0%)」「Facebook(31.2%)」「Skype(8.4%)」「TikTok(7.1%)」となった。昨年比では、「LINE」「Twitter」「Instagram」の利用率が向上しているのに対し、「Facebook」「Skype」の利用率は伸び悩んだ。
「Instagram」の利用率は、昨年の利用率(28.6%)から7.2%増加し、「Facebook」の利用率を上回った。また、昨年までランキングには入っていなかった「TikTok」が利用率7.1%と急浮上する結果になった。
利用者満足度1位は「YouTube」
次に、各SNSの利用者満足度に関する調査を実施。その結果、「YouTube」の満足度が最も高く79.7ポイントだった。2位は「Instagram(78.5ポイント)」、3位には僅差で「LINE(78.4ポイント)」がランクイン。また、「TikTok(76.8ポイント)」は4位につけ、5位は「Twitter(74.9ポイント)」、6位には「Skype(69.7ポイント)」がそれぞれ並んだ。
「Facebook」は利用率の低下だけでなく満足度のランキングも落としており、64.5ポイントにとどまった。同サービスにおいては、個人情報流出などのトラブルも順位の結果に影響を与えたと考えられる。
「Facebook」の利用時間は減少傾向に
また、各SNSの利用時間について昨年と比較をしたところ、「LINE」利用者の40%が、利用時間が増えた(「増えた」「どちらかと言えば増えた」の合計)と回答。「Instagram」では54%、「YouTube」は48%、「Twitter」においては37%の利用者が、それぞれ利用時間の増加を主張した。
また、1日に1時間以上SNSを利用する人の割合では、「YouTube(43%)」「Twitter(32%)」「Instagram(32%)」「LINE(28%)」が高い数字を出した一方で、「Facebook」は15%にとどまった。
SNS利用、「仲間はずれ」を懸念する声も
最後に、「SNSを利用する理由」について調査。その結果、「知人の近況を知りたい(39%)」という理由が最も多かった。また、「人とつながっていたい(36%)」などのコミュニケーションを求める声も4割近く集まった。その他、「自分の近況を知ってもらいたい(22%)」「写真などの投稿を見てもらいたい(19%)」「自分の行動記録を残しておきたい(19%)」といった意見も寄せられた。
また、「いいね、などのリアクションが欲しい(15%)」などの自己アピールを行いたいという心理が、SNS普及の一因となっていることが浮き彫りになった。それだけでなく、「仲間はずれにされたくない(6%)」といった理由も中にはあり、SNSを利用しない場合の不安も生じているようだ。
なお、1日1回以上の投稿をする人は、「LINE(43%)」「Twitter(31%)」が高い数字を獲得しており、「Facebook」「YouTube」は15%前後と低めの結果になった。
【調査概要】
調査主体:ICT総研
調査時期:2018年11月
調査対象:ネットユーザー4,022人
調査方法:SNS運営会社・関連企業への取材/Webアンケート
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